Diary

ユキが熱を出して2日目。
薬も無いこの状況だったが骸や犬、千種が代わる代わる部屋へやってきてはユキの額に置くタオルを交換したり簡易な食事を作ったりと彼女の普段負担していた家事を分担したことにより完全に安静に出来ていたことが功を成したのだろう。

「お騒がせしました。本当に」

ユキが起き上がれるようになったのは夜だった。まだ若干ふらつくところもあるがこのままゆっくりすれば明日には完全に元に戻るだろうと夕方には言っていたのでまだ寝ていると思っていたのだが。
リビングでくつろぐ3人にわざわざ礼をしに来たのだろう。思いのほかしっかりとした言葉に安心しながらユキの方へと顔を向けると、

「なっ」

隙の無い彼女が珍しい格好をしていた。
いつもは白いワンピースの寝間着を愛用している彼女だがその前についているボタンが胸元まで外れている状態で、桃色の下着がちらりと顔を出していた。
ハッとして隣を見ると犬がポカンと口を開きながらもその桃色に釘付けになっている状態で、千種もどうしていいのか分からず視線をそらして溜息を漏らしている始末。

二人の様子にどうかしたのだろうかと不思議そうな顔をしているユキはまだ気がついていないようだ。早足で彼女の元へと向かうと

「わっ!」

ユキを横抱きに。
突然のことに驚き身をよじるが離す気はさらさらない。

「ユキ、色々と見えてます」
「え」
「僕としては大変魅力的でいいと思いますがね」

骸の視線に気付いて慌てて閉めると残念、と耳元で囁けば顔が真っ赤になっていくのが見えて目を細める。
だがしかし病み上がりの彼女をからかってばかりは流石に可哀想だ。

「今度から気をつけなさい」
「すいません」
「ああ、でも僕の前だっ「もうしませんごめんなさい」」

涙目になりながら身体を震わせ始めたユキはまるで誘っているようにも見えてしまう。
ずくりと疼くものを感じながらもそう見えぬようあくまでも笑みを絶やさぬまま、ユキを部屋へと運んだ。



今日は一日お外に出なかったから天気は分からなかったけどちょっと湿気ている感じだったしまた雨だったのかもしれない。最近は雨が多くて本当に困る。ちょっとでも天気が良かったら布団はしっかり干そう。
そういえば今日は皆の前で初めて寝間着姿を晒してしまった。骸さんが前に買ってくれたやつなんだけど私は結構気に入っている。でもやっぱり寝間着とかって皆に自慢するものでもないから変な目で見られてしまったのだろうか。だらしないって思われてたらやだなあ
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