Diary

それは、信じられない言葉の数々だった。

彼女は自分と同じ気持ちだった。彼女は、自分を、自分が思っていたよりもずっとずっと見てくれていた。彼女の言葉足らずの裏側に、こんな優しさと愛情が潜んでいただなんて誰が思っただろうか。
このスケジュール帳さえ渡すことがなかったらこれからもユキともどかしい距離で接していたことだろう。
ハズレの景品なんてとんでもなかった。大当たりも、大当たりだ。

思わず日記帳を掴む手が震える。

ふと、視線をスケジュール帳から外すと自分の膝元でまたユキは規則正しい寝息をたてて眠っていた。
愛しいと思う気持ちがさらに膨らんでいく。
もうこの気持ちが一方通行ではないことを、知っているから。

「…早く起きてください」

でも、あどけない君の寝顔を見るのも悪くない。
矛盾した言動に自分のことながら笑えてしまうがこれですら、幸せなのだと思う。

彼女の頭を撫でながら、愛しい少女へと声をかける。

「ユキ、僕も君の事を」

その続きは、起きてから。
これからもこのノートに君の幸せな言葉が綴られていけるよう僕も努力しましょう。
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