ゴンゴンガチャッ!

「スクアーロシャンプー貸して」
「ノックした後少し待てねえのかぁ!」
「あ、何か大事なお時間だった…?」
「…ナニもしてねえから安心しろ」

 あんまりにも慌ててこっちを見るものだからこっちもうっかり構えた。
 スクアーロもオトコノコだもんね、気をつけないとゴメンゴメン。いやでも私だってこれは死活問題の話だからエロ本タイムじゃないんだったら遠慮することはない。

「シャンプー」
「う゛お゛ぉい!テメェなんつー格好してやがる!」
「何って…普通の部屋着だけど…」

 下着姿じゃあるまいし、と下を確認するとTシャツに短パン。
 いたって普通だ…そのTシャツにボスとデカデカと書かれた上にハートがかかれていなければ、の話だけど。ちなみにこれレヴィからのお土産。日本人に日本語Tシャツ渡す意味わかんないけど勿体無いから着てる。最近ちょっとお気に入り。

「あのなぁ」
「お説教は後でいいからシャンプー」

 一番スクアーロの髪が私好みの香りをしているのだ。ついでにパッケージも見て覚えたら私用でも買おうと思えるぐらいに。ほらほら早くと手を出せば盛大な溜息をつかれた後に、こっちに来いと部屋に設置された風呂場へと案内された。
 とことこと大人しく着いていけば突然ビシャリと不快な感覚。お湯をぶっかけられたと気付き、そして嫌な予感がして後ずさろうにもいつの間にか閉じられたドアへと押し付けられ。あ、これいわゆる壁ドン。人生初だ。…ってあれあれおやおや?

「あ、あのスクアーロ…さん?」
「使っていけよぉ」

 目の前には何かヤバい顔した鮫がいる。喰われると身の危険を感じたものの身動きなんてとれるわけもなく。
 ちょっと相手間違えたかもしれない。ヘルプミー、ボスうううう!

そうやって学べ
もう来ない、スクアーロの部屋なんて絶対もう来ない!!
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