思いが溢れてぐるぐると | ナノ

俺は先輩が好き。
好きで好きでどうしようもない。
いつもダブルスを組んでいて、それだけで満足って思っていたけど。
今はそれだけじゃ物足りなくて。

「俺が手を貸してあげようか?」

なんて。
千石さんが優しく言うから、俺は甘えたくなってしまう。

「ほんと?」
「本当だって!喜多の気持ちは前から知ってたしね」
「そうなんですか…」
「見る目が違うからね!恋する乙女の目は、見逃せないもんだよ」

訳が分からなかったけど、行動に移せない臆病な俺を後押ししてくれている事だけは分かった。

「じゃあ、お願いします」

ぺこり、と頭を下げて、コートへ戻る。そして部活が終わるのを待った。





「千石さーん」

――部活が終わって、皆が帰ったのを確かめ、新渡米さんと千石さんが居るはずの部室へ行き、声を掛けた。するとそこには絵に描いたように衝撃的な二人の姿があって。

なんと。キス、していたのだった。

俺が入口で呆気にとられていると、それが分かったのか、千石さんは、やぁと言って俺の方へ振り返った。

「遅かったね」
「離せ、千石っ」
「やだね。やっと主役が来たんだから。離したら、新渡米逃げちゃうだろう?」
「何のマネだよ!おい喜多、こいつ腹立つから埋めよう」

頭が混乱して、出てきたのは薄笑いだけだった。

「何笑ってんだ、早くこっち、来て」

言われたとおり側に行くと、俺は千石さんから彼を奪って唇を彼のそれに押し当てた。
無我夢中で貪ると、隣から煽るように口笛が聞こえてきて。

「っ、なんだよ、二人して。俺のファーストキスを返せ」
「あれ?新渡米初めてだったの、ごめんね」

謝ったのは俺に、だ。どこまでも挑発してくる気らしい千石さんに、ふつふつと怒りがこみ上げてくる。ただ、告白のお膳立てをしてくれるはずだったのに。

「話が違うじゃないですか〜。やだなぁ、千石さんってば〜」

俺はいつものとおり、ふざけて返す。新渡米さんの抵抗する力が若干緩んだ。
それを見計らって、足払いをして床に倒す。

「い…ってぇ…!」
「新渡米って可愛いよねぇ、だからつい、手ぇ出しちゃった」
「!?なんのつもりだよっ離せ、喜多!」
「嫌」
「はぁ?お前、何やってるのか分かって、」
「分かってる」

言いながら、首筋をかぷっと軽く噛んだ。ぶるりと震えた新渡米さんの肌が、次第に粟立っていくのが分かる。

「…感じちゃった?」
「んなワケないだろっ」
「嘘吐き…新渡戸さんはすぐ嘘吐くんだから」

今度はぺろりと舐めあげて、キスをする。少し吸えば、綺麗なキスマークが出来た。
直もじたばたと抵抗する新渡戸さんの足を、千石さんが押さえつける。

「お前…正気…?」
「正気。ごめんね…こんな愛し方しか知らなくて」
「愛、し…?ひっ」

俺は新渡戸さんのモノをユニフォームの上から握りこんで、揉みしだいた。

「やめっ…くっ…」
「直に、いい?触っちゃうよ…」
「やだっ」

新渡戸さんの声は無視して、下着の中に手を突っ込む。縮み上がったモノを扱いてやる。

「ぃやだって…言ってる…っぁ…っ」
「嫌がってる新渡戸さんも好き」
「ね、舐めてあげたら?」

ぐい、と足を開かせて千石さんが言う。俺はごくりと喉を鳴らして、ゆっくりと屈んだ。

「嫌だっそんなのっ喜多!喜多ぁ!!」

――ぴちゃっぴちゅっ。

「ひゃっ…あ、…う、うそ…っ」

――くちゅっぐちゅっ。

俺は根元まで銜えて、新渡戸さんの味を楽しんだ。裏筋を舐めて、先端のくぼみをぐりぐりと刺激してやると、とぷっと透明な液体が漏れてくる。愛しくて、何度もそれを繰り返す。

「んはぁっん、んっ…ん、くっ…」
「感じてんじゃん、新渡戸ったら」
「う…るさ…っ」

口の中に全て含んで舌で飴玉を舐めるように弄ぶと、新渡戸さんは呆気なく達した。

「…はぁっ…はっ…あ、う…」
「新渡戸さん…」
「おま…飲んだ…?」
「うん。凄く濃かった」
「ふ…ざけんな!なんでこんなこと…!」
「だから、好きなんだってば」

俺はぬるぬるした舌で自分の指を舐め、新渡戸さんのお尻の方へ忍ばせた。

「うっ…!?」
「ちょっと痛いかもしれないけど、ガマンしてね」

穴に指を埋め込んでいく。先走りで濡れていたソコは、俺の指を締め付けながらも柔らかく銜えこんだ。

「い、たい…っ」
「でも慣らさないと、もっと痛いから」

力を入れて抜き、また押し込む。中では指をばらばらに動かしながら、慣らしていった。

「すっごいキューキューに締め付けてくるよ…俺、勃ってきちゃった…」

思わず口に出して言うと、新渡戸さんは睨み付けてきた。そんな顔も可愛い。フェラした舌でほっぺを舐めあげて、キスをした。

「好きだよ、新渡戸さん…。もういいかな?…千石さんは、どうするの」
「俺?俺はじゃあ、前を頂こうかな」
「…うん」

意味を理解して、嫌だったけど、そんな新渡戸さんも見てみたいから、よしとした。

「ま、えって…なんだよ…」
「フェラしてほしいの。分かるよね?」
「馬…鹿っこのエロ千石…っ」
「おっかしいなぁ。そんな事、喜多には言わないくせに」

膨れたような表情を作って、千石さんは言う。俺は構わず、指を抜いて新渡戸さんの身体をうつ伏せにした。

「や、やだ…マジで、マジで嫌だ…喜多、待って」
「待たない」

俺の猛りきったモノを解れた穴へあてる。とても熱くて、先端が溶けてしまいそうだった。
再び喉を鳴らして、ゆっくりと挿入を試みる。

「あうっううーっ…痛…痛い…よ、」
「もうちょっとで、全部、入るから…こっちも、触ってあげるね」
「ひゃぁ、ぅっうぁっ駄目、だって…っ」

前も擦りながら挿入すると、楽に出来た。新渡戸さんも、喜んでいるように見える。
それをいいことに、腰を前後に動かしてみた。
ぬるぬるして、とても気持ちいい。

「あ、あっあ、ぁ、ん…っ」
「イイ声出すじゃん新渡戸…俺も、気持ちよく、して…」
「あ、んぐっん、んーっ」

俺は一心不乱に腰を動かし、新渡戸さんのモノを扱く。千石さんも何だか気持ち良さそうで、新渡戸さんの顔が見れないのが残念だな、なんて思った。

「ぅんっん、ん、んっく、んっ」
「はぁ…イイよ、新渡戸…」
「俺も、もうイキそ…」

最早限界が近づき、間もなくしてイった。

「くっ…イクよ、新渡戸…!」
「んんーっんんん!!…!」

千石さんもイったらしくて、口からずるりとモノが抜き出される。糸をひいて現れたそれはとってもいやらしく、ぼんやりした意識ながら、思わず見つめた。

「はぁ…はぁ…さいてー…」

ぼそっと言った新渡戸さんが何だか舌足らずで可愛かった。俺の手には新渡戸さんが放ったものがべっとりと着いている。結局イったんだ、良かった。

「喜多…っ」
「はいっ」

掌から新渡戸さんへ視線を移すと、そこには色っぽい先輩の姿があって。口から白い液体は垂れてるわ、お尻からは俺の出したものが散ってるわ、で。

「お前…許されると思うなよ…!何が好きだっ千石まで巻き込みやがって…」
「あ、えと、それは…」
「まぁまぁ。新渡戸もイったんだしイイじゃん」
「そういう問題かっ」





それから数日は口を利いてもらえなかったけれど。
俺は何にも後悔していなかった。

大好きな先輩。
愛しくて仕方ない貴方。

「今度はちゃんと告白してみようっと…」