※ネタの【願望(一惷で、惷←一願望)】と繋がっているような。 惷の言葉は誰にでも平等に与えられてしまうものなのではないかと、ぼんやり画面を見ながら思う。 どこの中学生だったか、黒髪でピアスをした男とも快く接していたのを何度も見ている。 あの時もネットだとかそういう類の話題だったように思う。 この、詳しくはないがブログというものの上では特に皆に愛想がいい気がする。 相手が好きだと書くと、惷も好きだと返す(それが例え本気でなくても)。 それが引っかかるようになったきっかけでもあった。 自分が詳しくないだけでこの空間ではそれは特別なことではないのかもしれない。 わからない記号もあるし、正直学ぶ気もしない。 けれどこれは惷と自分を隔てるひとつの物であるのだと思って、そして。 嫉妬を感じて、また女々しい自分が心の中で騒ぎ立てる。 「一茶」 笑いかけてきた惷にハッとして冷えた背筋をいっそう伸ばす。 ああ、急いているせいかうまく画面が消せない。惷のブログを覗いているところは本人にあまり見られたくなかった。 興味がないと言っていたいからだ。側に居るのが一番なのだと思いたい。 「惷…誕生日、おめでとう」 唐突に放った一言に惷は面をくらったような顔をして、表情を綻ばせた。 そして指先に触れてきて、絡めて、抱きしめてくる。 嬉しい、と、今すぐしたい、と、求めているようだった。 惷のためなら俺は、そうする。そう、するんだ。している間は嫉妬なんて感情も忘れるだろう。 惷おめでとう!(の、つもり) |