俺達は爛れている。 憧れや興味があるからといって実際行動に起こすのは簡単じゃないのに、性的なことに足を踏み入れるのが早すぎたのかもしれない。 生を受けて十数年、早熟ながら頭に入っていくのは高速で日々脳内は更新される。ただし最近で言うとそれはこういうことに関してだけ。 四つん這いになった知念が顔を伏せて泣いている。俺はそれを後ろから見ていた。バックから挿入しているからいつもより広がったクチがよく見えた。指でなぞると潤滑剤が指に着いて糸を引く。 動くのをやめて知念の震える背中をさすってやるけど、嗚咽は止まない。 泣いている原因は主に知念の前にある光景にあるのだと思う。 「大丈夫?知念クン、は、っ…」 知念と同じ様に四つん這いの永四郎は赤い顔をして、擦れた声で名前を呼んでいる。快感に染まって震える手が知念の髪を撫でた。積極的に受け入れている所為か余裕がある。 「こっち向いて、知念クン」 裕次郎に揺さぶられながら永四郎が囁いた。 反応を待とうと思ったのか、腰を掴んでいた両手を離して動きを止めた裕次郎がこちらを見た。汗を拭って、泣きそうな顔をして俺へ視線を寄越している。 俺もあんな顔をしているのか。気持ちがいいし、さっきまでイきそうだったからそうかもしれない。 「永四郎、凛。…知念、仰向けにして」 呟いた裕次郎の言葉は強制ではない。でも俺は言う通りにするし、永四郎も挿入されたままで動いた。どういう神経してるんだ。みんな、俺も含めて三人共。 一度抜いて這うかたちになっていた体を横に倒し、腿を開かせて割り込み、両足を持ち上げて勃ったままのものをあてがう。 「うあ、い、嫌、…っ凛、待っ…て…」 ああ、やっと顔が見える。 知念の手が俺の両腕を止めにかかり、上半身を起こそうとしたけど永四郎がそれを抑え付けた。永四郎は知念の唇を舐って口付けて塞ぐ。言葉にならずに鼻から抜ける息遣いがいやらしくて、興奮した俺は一気に中に入った。 何故か裕次郎が呻いて息を詰めて、まるで電極を繋いでいるみたいだと思うと少し笑えた。 「ぷ、ぁっ…あぁ、あ…っいっ…」 「知念クン、気持ちいいの?」 「ッ!…ぅ、い、や…」 「嫌がってばっかりかよ…慣れないなー、知念は」 馬鹿にしたように言った俺は知念の性器を手で扱きながら腰を使った。 「あぅ、えー、しろ…っ手、離し、ッ」 「だめ、だよ。だって知念クン…邪魔、するから」 「永四郎、俺動いてもいい?」 呑気な声を出す裕次郎に永四郎が色っぽい言葉を投げ掛けた。裕次郎が動くと永四郎は大きな喘ぎ声を出していた。たぶんわざと。 そんな永四郎に両手を抑えられて耳も塞げない知念は聞きたくないとばかりに目を瞑って首を横に振る。 「こっちも構えよ」 そう言いながら中を深く抉ると知念は押し出されるようにして声を出した。永四郎より色気のない、堪えているくぐもったそれ。 異常な中では普通の感覚を持ってる奴が泣きを見る。自分がおかしいのかと錯覚する。 理性を持っているといつまでも苦しんでしまう。 でもそれは長引くだけで永遠じゃない。 人にボールぶつけるのだって初めは皆嫌がったし辛かった。まあ、そんなところ。 2012.4.11 長くなってしまったのでネタ置場からこっちへ。 |