リク:凛知 | ナノ

愛すべき病人の甘え


「知念ー見舞いに来たぞー」


携帯で連絡しても応答が無いので家に来た。家の前でインターホンを鳴らしながら声を掛けてみた。
しかしそれでもなかなか出ない。

知念が風邪をひいたと聞いて看病をしようという名目で来たのに。
一応5時間目には戻る気なので見逃して欲しいところだが親より担任より永四郎がキレそうだな。


「はい…」

「お、知念」


携帯をポケットに突っ込んで、ついでに片足も戸に突っ込む。閉め出されたら困るから。
でも知念はそんなことをしようともせず、戸を更に開けると入るように勧めてくれた。

室内は整頓や掃除が行き届いている。知念の母さんも綺麗好きだもんなと改めて思っていると、飲み物何がいい?と聞かれて思わず答えそうになった。


「待て、お前病人だろ。座ってろよ」

「今何時…まだ1時間目終わったばっかりだな」

「う」

「サボったのか…。わざわざ来なくても良かったのに」

「そういうこと言うか?恋人が寝込んでるって言うから飛んできたのに」

「サボりたかっただけのくせに」

「違うって。昔から熱に弱かったから心配したのはマジだし。ポカリと水買って来た」


あとは俺のお菓子と雑誌だけど。
知念の好きなお茶のペットボトルも出して、と。

アイスの袋を破いていると、俺の頭を撫でて笑いかけてきた。一応誉めてんのか?

知念は起きたばかりだったようで、目を擦りながらシャワーを浴びてくると言って居なくなった。
熱があろうが風呂には行きたいらしい。いつものことだ。

戻ってくるまで雑誌を読むことにする。

それが読み終わるといよいよ時間を潰すのが難しい。携帯を弄って待ってる間に、ようやく戻ってきた。


「朝一回起きて、飯作って母さんと妹達送り出したら熱が上がって…昨日の夜は一回下がったんだけど」

「お前なー、そんなの任せときゃいいのに。風邪のままうろついたらおばさんにも兄弟にも伝染るだろ」

「凛にも伝染すぞ」

「寄越せるもんなら寄越してみろ」


水のペットボトルを取って開けようとしている知念からそれを奪い、口を捻ってやる。
開いた水を手渡すと、また微かに笑われた。


「のど痛いのか?」

「うん、痛い…」

「だるいなら寝ていいからな。あとさ、冷えピタとか貼ればいいんじゃね?頭痛いなら」


歩いていって勝手に冷蔵庫の中から冷却ジェルシートを探し出す。袋を破って一枚取り出したのを渡した。
近寄ると色んないい匂いが漂ってくる。シャンプーとかボディーソープの類いの香り。

前髪を上げてぺとりと額にシートを貼った知念は、心地良かったのかゆっくり穏やかに息を吐く。
薬は飲んだのかと聞いたら、朝食の後に、と返ってきた。


「つーかちょっと…ドキドキした、今」

「…なんで?」

「いや、」


顔が赤いし、声が擦れてて気だるげで、湯上りだから、なんとなく刺激されるような気になってしまうのだ。
それを説明したところで分かるはずもないけど。
空気読めとか何しに来たとか怒られるのも切ないし言いはしない。

目を逸らして読み終わった雑誌をもう一回開く。


「凛、」

「ん、うおっ」


後ろから抱きつかれて大きなリアクションをしてしまったのは仕方ないと思う。

普段知念はこういうことをしたがらない。要するにいちゃいちゃさせてくれない。
なのにぎゅっと腕を回してきたから。
知念の腕は俺の両脇の下、腹辺りに回されていた。
これだけ密着していたらバレる。ドキドキどころじゃない破裂しそうな心臓の音が。

知念は女じゃないし、その気なんてないのかもしれないけど、ドキドキしたって言った側からこれはいくらなんでも。
俺を意識していないなんてことはないだろう。
そもそも恋人なんだし、流れでっていうのもおかしくない訳で。


「遅い」

「え?な、ちょ、」


今度は立たされた。自分がでかいからって抱っこするみたいにしやがった。
動揺していると腕を引かれて部屋に連れていかれて。
そこはカーテンが閉めっぱなしになっていた。


「冗談で…やめろって」

「冗談じゃなかったら?」


ベッドに座った知念が俺の手を掴んだ。


「体弱ってんのにいいのかよ…」

「かっこつけたがりだな、凛は」

「知念にはかっこ悪いとこばっか見せてんだろ」

「…さっきの、かっこ悪かった」


笑われて、どこがだよと返したら心臓ドキドキさせながらどうしていいか分からない様子だったと言われた。
当たってるけど。


「どうしていいか、じゃなくて、風邪だから!知念が!迂闊に手出したら嫌がるだろうと思ったんだよ」

「…間違ってない」

「そうだろ?慎重だったんだよ。さっきまでは」


自分もベッドに上がった。


「凛、…けほっ、」


口に手をあてて顔を背け、知念が数回咳をした。痛々しいであろう姿にまでムラムラしてくる。
背中を擦りながら首筋に吸い付いて跡を残すと、熱くて湿っぽい息が吐かれた。


「ん…寒い、」

「熱上がってきた?」


乾かされた前髪を撫でて頬に手の甲を滑らせると肩を竦ませる。
いつもより体が熱いのはよく分かる。
脱がせないで裾から手を入れても俺より熱くて、でも、鳥肌が立ってるから寒いのは本当なのかもしれない。


「そうだ!もう一回風呂行こうぜ」

「え?」

「風呂なら寒くないから」


思い付いたらとりあえず即実行。
風呂場で湯を出しっぱなしにするとかなり温かくなって、部屋よりはマシだと思ったけど知念は少し嫌なようだった。
しかし嫌そうな顔をしながらも、手馴れた様子で俺の髪を一つに縛る。妹にするのと同じようなもんだとか思ってんだろう


「俺はさっき洗った」

「じゃ…俺を洗って」


手を取ってボディーソープを出してやる。
引っ張って体に触らせるとおずおずと動き出した。
知念はゆっくりと膝をついて、感度を探るように俺の表情を見てくる。
そういえばシート付けっぱなしだ。額に貼り付いたそれを引っ張ると痛いと小さい声が上がって、運悪く俺のものがぐっと強く握られた。


「ちょ、おま、俺の方が痛い!」

「う…」


思わず怒鳴ったけど、前髪を上げてやや赤くなった額を撫でてやる。身長差があり過ぎてなかなか出来ないことだから少し楽しい。

お互いが泡だらけになってくると、知念にバスタブに手を着くように言った。
少し腰を落とさせ、腿だけを合わせて膝下は開かせる。高さ良し、と見たところでぬるぬるするそこへモノを挟む。
すると驚いた知念が制止の声を上げた。


「なんだよ」

「何、してる…?」

「入れたら負担になるかと思って。やってみるもんだな、これでも充分気持ちいいし…知念も、」


ずりずりと出し入れする動作を繰り返すと、タマが擦れている知念の方も肩を震わせた。
手を前に回して知念のを手で捕らえてスライドさせる。くちゅくちゅと音が鳴って息遣いと一緒に反響した。


「は…ァ、これ…気持ち、悪い…っ」

「気持ち悪くて勃つかよ…こんなに硬くなってるのに」


先端の穴を指先で弄ると、一層高い声が上がる。
既に勃ち上がったソレは透明な液を垂らしているに違いない。


「っあ、…っり、ん…ん、っ」

「知念の腿あっつい……って、おい、大丈夫か?」


片手で支えてやろうかと思って腹に手を回すと大きく震えて知念は果てた。
とく、とく、と放出されるのを手で感じながら、それが済んだところで腿から性器を退かせ、こちらへ向かせた。
だいぶ体がぐらついていた気がする。


「はぁ、っ…待っ、」

「いいって俺は。つかマジで熱上がってね?やばいな」

「やばくても、いいから…」


バスタブに腰掛けた知念がまた抱き着いてきた。


「凛の勃ったままだな」

「おい、…!」


細長い指が絡みついて、扱かれる。やめさせずに舌打ちをすると、知念はかっこ悪いと呟いて笑った。





「もう、学校戻んなくていいよな…?」


居間で寝そべりながらぼやく。自分が発端とは言え辛い。
今、俺の額にも知念とおそろいの冷却シートが付いている。
風呂場で遊びすぎた所為か頭痛が酷かった。


「昼の分何か食べてから薬飲んでおくか?」

「んー…、知念は大丈夫なのかよ?」

「まだ頭痛いけど」

「はあ…なんでだよ。伝染ったら元は治るだろ、フツー」

「ふ」

「何が可笑しいんだよ。座薬欲しかったらいつでも言っていいからな」

「そっちこそ」


俺は座薬なんてかっこ悪いもんに頼らない。
台所に行く知念の後に着いて行きながら目をやると、時計は午後14時の終わりを告げようとしていた。






2012.3.30
思いつきで行動して自爆する凛と、それに付き合ってあげる知念のイメージで。
熱がうんちゃらというのは妄想で…具合悪い時にだけ甘えてくる知念可愛いなっていう…もごもご
少しでも楽しんで頂ければ幸いです^^*

有難う御座いました!!

リクエスト:平古場×知念。エロ