リク:サエバネ | ナノ

「何度イくんだよ。これが無理矢理って分かってる?」


部活は引退し、テニスは時々指導するだけで、疲労感はほとんど無い。
勉強だけは余計にしなくてはならない中学3年の冬。

今日も少しだけ部に顔を出してきた。

正直に言うと今はまだ後輩に継がせたい云々よりもテニスにしがみ付いていたいような気持ちが大きい。
バネもラケットを握り、俺の顔を見ると笑って背中を叩いてきた。俺も同じだ、と言ってくれたような気になった。



帰宅してから、シャワーを浴びて軽く汗を流す。
着替えて適当に髪を乾かしたら部屋に行って冷えたペットボトルの蓋を捻る。
水で喉を潤わせて一息着いたところで、ベッドに座ったままのバネへ視線をやる。
俺とバネは身体だけの関係だ。
今日もそのつもりで家に呼んだ。両親と姉貴が留守の時を狙って呼ぶようにしている。
慣れてきたのか、バネは喘ぎ声が大きくなってしまうから、人が居ればすぐに気付かれると思う。
声を出せないようにするのは簡単だけど、大きい声で喘いではそれに苦しむバネが面白いからわざと放っておくんだ。

そんなことを楽しんでいた俺、いや俺達、だけど。今日はひとつ考えがあった。


「バネ、俺達終わりにしよう」


身体だけの関係は、もう終わり。

部屋に、俺の発した一言が響いた。大袈裟に思えるほど。
バネが本気で驚いた顔をしている。
口が薄く開かれて何かを言おうとしては閉じられる。ぱくぱく、魚みたいな動きをしているそこを見詰める。
そんなに驚くことかと様子を伺っていると、バネは突然立ち上がって俺の側に寄り、抱き締めてきた。
今まで一度もこんなことはなかったから今度は俺が面食らった。


「サエ…っ」

「なんだよ、どうした?喜んだっていいのに」


そうだろう。身体だけ、しかもバネにとっては屈辱的な行為でしかないんだし、強要される関係に嫌になっていたのは確かなんだから。
そう思っての言葉だったけど、バネは言葉を発さずに腕を緩めて僅かに身を離し、俺の顔を見て涙を零した。
くしゃりと歪んだ情け無い泣き顔。

最近では、バネが泣くと言えばベッドの上でしか見たことがなかった。


「なんで泣くの?」

「終わり…っ、て…っ」

「うん、そうだよ。もう、」

「嫌だ、終わりなんて…!」


呆気に取られた俺はひたすらバネの泣き顔を見るしかない。次の言葉がなかなか出てこなくて、少し苛々した。
どういう意味なのだろう。なんで喜ばないんだ。


「この、関係…っ終わったら、どう、なるんだよ…っ」


痛いくらいに肩を掴まれる。
必死に声を絞り出すバネはそれはもうもっと泣かせたいくらい。


「…、どうって、元に戻るんじゃない?」

「え、っ?」

「バネさえ良ければ」

「あ…」


掴まれていた肩から手が離れて、片手はバネの顔を覆った。
泣いて腫れた目元を隠して、頬だけじゃなく全部が朱に染まっていく。


「そ、か…なら、良かっ「でも、バネはセックスしない俺達の関係を考えてなかったんだ」


言葉を遮り首筋に指を這わせると弾かれたようにビクついて見開いた目が俺を映した。


「は…っサエ…?」

「解放してあげようと思ったけど、やっぱりやめた」

「ま、待てって、俺、勘違いし、て…っ」

「ベッドに寝て。バネはいい子だから出来るよね?」


子供に言い聞かせるみたいに囁くと、バネは今度は悔しそうな顔をしてベッドに座った。制服の上を脱いでシャツのボタンを外していく。
最初はあんなに抵抗していたのに嘘みたいに従順だ。


「泣くほど続けたかったなんて思わなかったな」

「だからちが、んっ」


口付けて舌を絡め、一度離してベッドに上体を寝かせる。乱暴に押し付けた所為で身体がバウンドする。
馬乗りになるとささやかな抵抗を見せたので、俺はそのまま自身のスウェットと下着を下げて性器を露出させた。まだ反応もしていないそれを、噎せているバネの鼻を摘んで開いた口へ突っ込む。


「む、う、んん゛っ」


唸り声を上げて首を横に向け、逃げようとしているバネを見ているとゾクゾクして堪らなくなった。
さっきの涙とは違う、苦しさに悶えて流れ出るそれに興奮する。


「上手だね、バネ。流石俺のを覚えているだけあるよ」


腰を緩く動かしながらそう言うとバネはますます泣いた。
バネは泣き声もたまらなくイイ、今は聞けないけど。

喉に勝手に当てるだけで相手のテクニックなんて何も意味を成していないイラマチオに性器は完勃ちした。口から引き摺り出すと、バネは口を拭って咳を繰り返しながら身体を震わせる。

こちらに向けられる瞳が怯えていた。

怖がることなんて無いのに。
今までずっと、抵抗しないバネと好きにする俺で上手くやってきたんだから、今更何を恐れるんだ。

一瞬でも捨てられるのが嫌だと思ったバネの負けなんだよ。
そんなに被害者ぶったって駄目。俺のことを見捨てられないのが、駄目。


「苦しかった?ごめんね」

「サエ、…と、友達に、戻りたい、…こんなの、」


唾液につやつや濡れた唇が戦慄きながら呟いた。俺は怒ったフリをして髪の毛を掴む。痛いようにするのがコツ。


「だったら殴ってでも逃げなきゃ!なあバネ、そんなにやられっぱなしの友達って普通なのか?」

「で、でき、ない…っだってさっき、サエが、やめるって…っ!」


しゃくりあげながらバネが続ける。
髪を握っていた手を離して自分の性器を扱いた。
いい体格をして、俺よりも筋肉をつけてるくせに、そんなこと言って。
だから付け入れられてしまうんだ。

バネの制服の下とボクサーパンツを無理矢理引き抜いて両脚を開かせる。
やめろ、が、やめて、になって。懇願するような悲鳴になって。


「可愛いよ、バネ」


結局口だけだからやめはしない。

この関係を打破したい気持ちも別にない。バネが女々しいからって不満も無い。
本当はバネが自分に縋るのを分かっていたのかもしれなかった。
分かっていたからやめようなんて言ったのかも。

バネは一生そんなことには気付かないだろうけど。


「ぅあっあぁ、さえ、痛い、痛い…ッ」

「そうだね。でも切れてないよ、バネの中濡れるんじゃないの?女みたいに」

「そんな訳、ない、だろ…っ!ひっ」

「そう、かな?」


イイところに当たったらしく、バネが甘く短い声を上げ始めた。腰の動きを早めながらバネのモノを強めに扱いてやると、先走りを垂らして悦んだように見えた。


「俺達、…身体だけじゃ、なかったのかも、ね…っ」

「ふ、ぁ、あぁ、ああ、さえ、サエっ」

「汚い顔だなあ、バネ」


屈んで、涙と唾液と鼻水とでぐちゃぐちゃになった顔に自分の顔を寄せて口付ける。わざと傷付けるように吐いた言葉に顔を顰めて、バネはイった。






2012.3.29
え…ろこつ…?え…鬼畜…?Sっ気の間違いですか?っていうお話になってしまってすみません!
当サイトのサエバネで目覚めたと言って頂いたのが嬉しかったです…!
サエ→剣でダビバネというのがいつものベースなのですが、今回はその関係は無しで。
なのでちょっと根底でラブラブるようなそうでないような(どっち
タイトルはイメージで選ばせて頂いてますが、事実と異なっています。笑。

有難う御座いました!!

リクエスト:露骨エロでサエバネ。シチュエーションは書きやすいように


タイトル拝借元:TOY(PC向け)