リク:ちとけん | ナノ

女役もおねだりも苦手


俺は男同士のやり方を知らなかった。
知っている奴が周りにいるとも思ってなかった。

そんな事を考えなくちゃならないのは俺を組み敷いている奴の行動のせいだ。
好きだと言われて流れで付き合ったようなものなのだから、体をどうこうなんて本当に頭になかったのに。相手もそうだと確信していたのはどうしてか。

千歳は俺を見つめて唾液を飲んだようだった。


(俺の何がそんなに、いや、もう分からんけど)


分からないというより、考えないようにするしかなかった。
千歳の部屋のベッドの上で乗っかられている今、どうして抱く気になるのだろうかと考えたって仕方ない。


「ち、千歳…またなん?」
「ん?」


何がと言いたげに首を傾げられる。
噛みそうになる舌を意識しながら、俺は顔を背けて言った。


「俺がこっちやん、いっつも」


だから、またかって聞いたんだけど。
そう言うように告げると千歳はフ、と息を吐くように笑って俺の腿を撫で上げた。途端に鳥肌が立つのが分かる。


「っ、ち、ちとせ、」
「ばってん、ようよ謙也も慣れてきたとこばい」
「それは自分がしつこいからやろ!」
「なんさま俺の方が上手か」


ぐ、と言葉に詰まる。上手いであろう事は確かだ。
俺は女とも経験がないし、千歳も男はなかったなんて言いながら初めてでも割と手際が良くて、泣かされた。騒ぐほど痛くなかったのは幸いと思っていいのだろうが、情けないにも程がある。

俺が黙っていると千歳の手が段々と大胆に動き始め、股間に触れた途端に飛び上がりそうになったところで口付けられた。軽く触れて、吸って、うっかり口を開けると舌を入れられて、今日もまたいいようにされるのだと半ば諦めのような気持ちになる。





力を抜いてなるべく自分に負担が掛からないようにする。
指がずくずくと出入りする箇所が濡れに濡れて、ローションまみれになっていた。
そのせいで楽だが、音が凄い。
聞きたくもない。


「は…っん、んっ…」
「声抑えとると?」
「や、お、抑えてな・・ふ、ぁあっあああっ」


千歳の太い指が弱いところを擦ってきてたまらず高い声を上げてしまう。涙で歪む視界の中で千歳を捕らえるとヤツはにやっと笑って見せた。悔しい、悔しい。


「あ、ん、…っち、ちと、せぇ…ッ」


何か反論してやらねばと開いた口からは甘えたような声が漏れて、千歳の指が音でも立てそうなくらいの勢いで抜けた。ほぼ同時に、力をなくして立てていられなかった俺の両足が伸びた。慣らされてしまった箇所は熱を帯びたまま。荒く息をついて、んぐ、と間抜けな声を出しながら唾液を飲み込んだ。


「いれて欲しか?」
「う、う…っ嫌や…」


上半身裸になりながら問う千歳は絶対にここで納める気はない。欲しいなんて言ったら負ける気がして言いたくないし、ケツにちんこいれてなんて今更でも言えない。

そうこうしている内に足を抱えられ、千歳はいつ出したのか、自分の勃起したそれを押し付けてきた。


「あ、あっはい、る…」
「うんにゃ、入らん。謙也が頑固やけん」
「だ、だってッ当たっとる、し…!」
「ほら」
「んんっ」


穴の上をぐりゅぐりゅぬちぬち、先っぽが滑りだした。時々入りそうになるけど入ってこない。


「ひっ…なんなん、もう…ッ嫌やってぇ…っ」
「俺も好かん…中に入りとおてしょんなか」
「あ…っあァ、…っや、や、め…っ」
「謙也…っ」
「ちと、あ、待っ…」
「んっ」


千歳が息を詰めて、尻に暖かい感覚が広がる。
皮膚の上を何かが伝っていく。何かというか、これはたぶん精液だ。

信じられなくて見開いた目から涙が零れる。その目が千歳のうっとりした目と合った。


「なに…しとんねん」
「おそかけん出てしもた」


早漏という訳でもないのは知ってる。今日は俺がぐずったからだ。だけどあれだけ弄っておいて自分だけ。
腰が抜けてふにゃふにゃになりながら起き上がる。


「謙也?」
「…トイレ。もう終わりやろ」
「そげんかっこのままで?」
「うっさいわ!構うな!」
「…でけん」


腕を掴まれてまた引き戻された。尻についたものがべちゃっと布団について、それが凄く気持ち悪い。だけどそう文句を言う暇もなく、押し倒されて千歳にしゃぶられた。若干萎えかけていたそれはあっという間に硬度を取り戻して、びくびくと下腹がうねる。


「あ、あっ…くち、あかん…も、すぐ出…ッ」


射精するかと思ったところで片足を上げられて指らしきものが穴に入ってきた。


「けつ…や、嫌、いや、やっ…ぁっ…両方だめ、ダメっ…ふあぁっいく、むり、いく、って、ちとせえ…っ」


先走りが馬鹿みたいに溢れてきて、指を締め上げとうとう出した。数回強めに扱かれる。
気持ち良過ぎて勝手に涎が垂れた。


「はぁ…は……んっ!?」
「復活したたい。入れっとよ」
「ぁほやろおま…ンあああ、あっ」



突っ込みを入れようとするも、喋る前に挿入されてしまった。
腰を打ち付けられるのを受けながら、我慢させられるよりはいいかと思ってしまうのがまた悔しい。


(好きや、けど、別やねん)






2012.2.22
千歳謙です。
方言が半端ですみませんガタブル
もっと露骨に出来たら良かったんですが…!

有難う御座いました!!

リクエスト:露骨エロ。千歳謙