平等院が大浴場から部屋へ戻る途中に見つけた異様な長身は、ソファに腰掛けてラケットを磨いていた。珍しく腰巾着が居ないな、と口端を釣り上げるさまに顔を上げた越知は黙って視線をやる。
乾かす事もせず、後頭部の少し上の位置でひとつに纏めてある髪。いつも着用しているヘアーバンドも無い。そんな平等院を、越知もまた珍しいと思った。
「越知、部屋に来い」
一言だけのそれは強要。上下関係と言ってもスポーツの一種目間のみでしか成立していないというのに、平等院は命令が好きだ。
「相変わらず声も上げねぇんだな。同じ喋らないならダッチワイフの方がマシかもしれねぇ」
強制的に濡らされた後孔に膨張した性器が深く埋まっている。
吐き捨てるような平等院の言葉に越知は強く奥歯を噛み締める。
「だが声を殺すお前にはそそられるぜ」
散々罵倒した体を好んで凌辱するナンバーワンは、やはりたいそうおかしかった。
-----
マイナーどころではなくなった…
欲求不満解消法
2012/06/02