どーも、氷帝の忍足や。本日はとある噂の検証に景ちゃん追いかけてます。


や、景ちゃん最近腹筋鍛えられててな……なんか秘密のトレーニングしとるんじゃないかと噂になっとんねん。


………最近車で帰らないらしいし、うん、ほな行くでー。


とか思って帰り道尾行したら奴さん公園に寄りおった―――んで、女の子と待ち合わせやと?!あ、あ、あ、跡部がリア充やっとる!や、奴は存在自体がリア充やけど……!


「待ったか、名前」

「ううん、そんなことないよ……あ、カップ麺食べる?」

「―――何味だ」

「スーパーデラックス葱とんこつ」

「………いただく」

「好きだよねー、景吾って意外にジャンキーなのが」

「うるせーな勉強だろ、俺様はカップ麺一個500円とも思わねーし、サラリーマンの平均年収一千万円とかいう勘違いをしてあまつさえ“まさかそんなに少なくないよな”なんて言う気ないんだよ」

「総理大臣か!」

「……っぷ、気付いたか」


………えぇツッコミや姉ちゃん。ビシッと跡部にツッコミが入った。無駄の無いあのフォーム――かなり手慣れとる。よくよく見ればあの制服は…………青学。なんやと?なんでやねん。姉ちゃんは魔法瓶で熱湯を持ってきたらしく景ちゃんの分のカップ麺に注いで自分の分と思わしき春雨ヌードルにも注いでおった。女の子やなぁ、なんてしみじみ。ちゅーかこれもしかしてデバガ……あかん、虚しくなりそうや……


「で、今日の手塚はどうだったんだ?」

「あ、うんわかった……あのねー、今日の手塚君はねぇ……」




―――なるほど、あの子が色んな原因なわけね―――



なんて思った。いやいや、確かにこれは………っ!


「菊丸に梅干し食べさせられて“酸っぱい”って顔して不二君に激写されてたよー、あ、手塚は気付いてないけどね!だって向かいの校舎の屋上からだから」

「手塚っ、っっっ」


彼女は似ているけど似ていない手塚の物まねをしながら一生懸命跡部にそれを伝える。景ちゃんが笑ってるのは手塚の件もあるやろうけどおそらく一番の原因はあの子。


「あとねー、普通に生徒会長スピーチの締めがやっぱり“油断せずに行こう”で―――手塚って本当に歪み無いよね」

「っっ!クックッ!」


話してる内容も確かに興味深いしおもろいと思う、でもなんちゅうか一番彼女がおもろい。そしてどうやら彼女は景ちゃんのかなりツボらしい。笑いながら顔赤くなるってどんだけやねん。あの子四天に行けるんちゃう?


「あ、食べよー」

「あぁ」


そして二人でズルズル啜りだす――――何、あのリア充。


「ねぇ、景吾………美味しい?」

「ん?あ、まぁな」

「良かった―――それね、私の一番好きな味でね………み、味覚が違うカップルだと将来大変じゃない……だ、だ、だからね嬉しい」

「………っっっ!名前!」


――――アカン、何このリア充……これ以上俺見たくないんやけど……


ちゅーか、何?何?この状況?


カップ麺公園食べてるだけなのになんで奴等甘いんねん?


なんで手塚話題にしとるんねん?


なんで跡部、今、あの子抱きしめてんねん?


カップ麺の湯気がなんやか悲しく立ち上がる。


なんで俺ここにいるんやろ………あぁ、せやった………跡部の腹筋や………うん、なんか予想できた。


あの子が原因やな。


「景吾、今日も笑いで朝まで寝かせないんだからね!」

「っ、クックッ!勘弁しろ―――じゃ、俺の家に行くか泊まるだろ?」

「勿論!」

「あぁ、じゃあ行くか」


そして―――車が来て二人は消えてしもうた。


残された俺は謎も景ちゃんのことも色々わかったがどこか釈然としなかった。


…………俺もおもろい彼女欲しいかもしれん。
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