NO.6 倉庫 | ナノ

増殖メビウス


※学パロ
※わけがわからない
※よくわからない





「そろそろ死のうと思ってるんだ」

紫苑の突然の発言にはもう慣れた。
けれども、今回は内容がいただけない。
それなのに、

「そうか」

と平然と返すこいつは真正の馬鹿なんじゃねえかと思う。
だってこいつは、紫苑が大事で、命の恩人で、恋人で。
そんな奴が死のうって言ってんのに。

「おい」

いいのかよ。
そう意味を込めて言えば、ネズミの皮を被ったキツネは、漫画とかでよく見る人間に化けたキツネみたいな口をマジでやりやがった。
こいつの名前はネズミじゃなくてキツネでいいんじゃねえか。
そう思う。
ネズミ、じゃねえや、キツネはおれをチラッと見た後また笑った。

「いいんだよ」

目もキツネみたいにキュッと歪めて笑うこいつは、おかしいんじゃないか。
ぞわわと鳥肌が立つ。
こんな頭イカレた奴でいいのかよ、と紫苑を見たら、紫苑は嬉しそうな顔で笑ってた。
ぞわわ。
ぞわわわ。
鳥肌が全身に広がった気がする。
気持ち悪くて横に居た犬に体をすり寄せた。

「死ぬときは俺も一緒さ」

紫苑の手を取って自分の首に誘導して、蛇みたいな赤い痣のある首に手を添えて、二人して見つめ合って言う。
お互いの手にグッと力がこもると、紫苑は今までに見たことのないくらい幸せそうな、それでいてキラキラしたキレイな顔で嬉しそうに笑った。

弓なりになっていく身体、手を離せば二人してくの字に体を曲げて咳き込む。

「まだ死ねないみたい」

咳き込みながら残念そうに言う紫苑の目には、気持ち悪いくらいに笑うネズミしか映ってねえんだろう。

「残念だ」

それはネズミにも言える。
二人にはもう、おれは映ってない。

何が残念だ。
毎回毎回失敗してるくせに。

傍らの犬が怯えて鳴いた。
ああ、こいつらは。
もうすでに、修復不可能なくらい。
イカレてる。

「やっと君と一緒になれると思ったのに」
「また次があるさ」
「そうだね」

手形の残った首を忌々しげに撫でて、慰めあう二人。
ああもう、

「さっさと二人同時に死んじまえ」

それでもう、終わりにしてしまえ。
おれも、終わりにさせてくれ。
二人においていかれるのは、もうまっぴらだ。






あまりにもわけがわからなかったので倉庫入り。
補足としては、輪廻しています。
輪廻し生きた全ての記憶は残ってるので、いつからか紫苑とネズミは心中しようとします。
二人同時に死のうとしますが、毎回必ずどちらかが先に死んでしまうので輪廻を繰り返す、そこにイヌカシも組み込まれてしまっているという訳です。
説明せなわからんがな。



12/12/12

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