俺は今鳳の家にいる。自分から行ったんじゃない。コンビニによったら偶々鳳がいて一緒に試験勉強しない?と誘われて断った。が、鳳があまりにも言ってくるので渋々家に行くことになったのだ。俺の意思で行ったわけじゃない。
家に着くと先輩たちが居て芥川さんは相変わらず寝ていた。

「遅いぞ鳳!レッドブルは?あれがないと集中できねー」

向日さんに言われるままレッドブルを渡している鳳。どうやらこいつはパシられていたらしい。それにしても勉強にレッドブルは関係ないと思ったが何も言わないでおこう。面倒臭い

「日吉も一緒に試験勉強したいらしいんで連れてきました」
「何を言っている。俺は無理矢理連れてこられただけです」

鳳が違うことを言い出したから内心焦った。笑顔で何を言っているのか。俺があれだけ断ったと言うのに。
とりあえず勉強をすることになった。いまだに芥川さんは寝ている。誰か起こしてやらないのか、そう思うが起こそうと思わない。面倒臭いから。
周りを見ると芥川さん以外の人が勉強をしていた‥‥‥‥‥?忍足さんは何をしているんだ?

「向日さん、忍足さん何やってるんですか?」
「なんかしんねーけど心閉ざしてミカンの皮剥いてやがる。あいつちょっと変わってっからな。俺や亮が話しかけても返事しねーし」
「もうあいつは放っといて勉強しようぜ」

忍足さんは何がしたいのだろう。俺にはわからない。それから気にしないよう試験勉強をしていたら忍足さんがいきなり喋りだした。

「できた!蜘蛛の巣や!どや、すごいやろ!」

なぁ、岳人?苦労したんやでと言いながら向日さんに見せている。蜘蛛の巣とはミカンの白い部分を千切らずに全部とったものみたいだ。この人は勉強もせずに心を閉ざしてそれをするのに一所懸命だったのか。普通に引いた。向日さんは何も言わなかった。宍戸さんも何も言わなかった。鳳は苦笑いを浮かべていた。やはり芥川さんは寝ている。忍足さんはその蜘蛛の巣を写メって誰かにメールをしながら言った。

「謙也と跡部に自慢したろ」

それは自慢になるのだろうか


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蜘蛛の巣




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