「今日は体力測定を行います」 先生のこの一言から始まった新学年初めての体育。毎年度初めての体育の授業は体力測定と決まっている。自分の体力など解りきっているのになぜしなければいけないのか。面倒臭い。 「シャトルランと持久走どっちにする?」 「持久走。シャトルランとかするわけないじゃろ。終わりが見えん」 じゃあ俺も持久走にしよとかブンちゃんが言いながらついてくる。そういえばシャトルランは100回以上いかないとダメだよ、って幸村が言っていた。普通に嫌。ジャッカルがシャトルランやってくれる。ジャッカルが。 そんなことを思いつつ持久走を終わらせた。余裕じゃな俺ー 「持久走終わった人は握力とか測っててくださーい!」 あぁ面倒臭い。握力とか幅跳びとか面倒臭い。 「におー!天才的だろぃ!?」 「おー、すごいすごーい」 ブン太がなんであんなに楽しそうなのかが分からない。反復横飛びで興奮するとかどんだけ。 一通り終わってすみっこで体操座りしてたらブン太がやって来た。 「お前長座体前屈してねーだろ」 「え?長座体前屈ってなん?知らん。聞いたことなか」 「とぼけてんじゃねぇよ。俺知ってんだぞ、お前が長座体前屈嫌いだって。」 「そんなことなか(なんでそれを知っとんじゃ)」 「じゃあやれよ」 「えー‥‥」 渋々やる俺。 「ちょ、におーふざけんなよ。曲がってなさすぎだろぃっ」 「笑いこらえられる方がツライけ笑いたいなら笑って」 その瞬間ブン太は大爆笑した。 だから体力測定は面倒でだいっきらいだ。 ------------- 20110417 |