じっとりとした湿度に、自重に耐えられず、地に落ちそうなくらいに重く、暗い空。次第にそれはか弱い、涙のような雨粒を降らしたかと思えば、誰の姿も隠してしまうような激しい雨に変わる。さっきまで忙しかったかえるの鳴き声もパッタリ聞こえなくなり、湿気で蒸された土の匂いは、いつしか雨の匂いで掻き消されてしまった。

十八の年。終業式を終えた日の、七月の半ば頃。
私は激しく降る雨で白む景色に自分を溶かしながら、その中をヨタヨタと不格好に走っていた。
アルバイトで学費と生活費を稼ぎながら高校に通い、ロクな私服を持たぬ私はこの三年間、外出時はいつも学生服を着ていた。
今だってそう。半袖の開襟シャツ、折られることの無い膝下まである丈のプリーツスカートは冬物。そこから下には何も無く、ただの裸足と、殆ど一張羅となったこの制服で田んぼと、左側にある山に挟まれた道をただ走っている。
冬物のスカートは大量の水分を含み、かなり重たくなって足にまとわりつく。

泥水を跳ね上げながら、時折顔を手で思い切り拭うと手の平に血が。よく見れば、開襟シャツの前側は雨で流れた血で汚れている。頭を切ったらしい。

私は幼い頃から、母に暴力を振るわれていた。私は、母が知らないおじさんや、知っている顔の、奥さんがいるおじさんと男女の関係にあるのを目にしていた。
そんな今日、夢中になっていたおじさんにフラれたらしい母はいつにも増してあたり・・・がひどく、散々暴行した挙句に投げてきた酒瓶が頭に当たった時、私は死を感じ、家から飛び出した。


左側に見えた山道に入り、上から流れてくる水が山道に小さな小川を作るなか、後ろを振り返りながら山道を上がっていく。足の裏の傷にさらに細かい何かが刺さるのも気にしていられない。

「……あった、」

幼い頃に秘密基地≠ノしていた、空き家。
まるで、家を覆い隠す様に笹の葉が生い茂るそこは、幼い頃の私の好奇心を満たすには充分な場所だった。
暴力的ふきげんな母親に追い出された日は必ずここに来て、泣きながら眠った。
ここ数年は全く来ていなかったが変わらずそこにあって、どこか安心感さえある。
暴行を受けた体は脈と一緒に痛み、散々傷付いた足の裏はじくじくと痛んで出血が止まらない。
ふらふらと笹の葉の中を進み、空き家の狭い裏庭にあたる部分の小屋に倒れ込む。

中途半端に投げ出した足にはバシャバシャと雨が容赦なく落ちて、出血を止めようともしない。頭も、切れたところが痛い。体の震えが止まらず、地面に横たえたまま体を縮める。

「……私、死んじゃうんだろうな……誰にも、知られずに……、独りで、」

次生まれるなら幸せな人生でありますように。
そう願いながら、私は真上で轟いていた雷鳴も、激しい雨音さえも遠のく程の眠気を感じて、目を閉じた。

◇◇

ふと、体の痛みで目覚める。私は見知らぬ和室にいた。
激しい雨音が徐々に蘇り、自分が生きていると安堵すると同時に、見知らぬ場所で目覚めたことに不安や驚きが入り交じり体を起こそうとした。
しかし、痛みで全く起きられない。

「っあ゛……ぁ……う、」

どうやら手当てもされ、和室の一角にあるベッドに寝かせられているらしい。曇天に光の差さない仄暗い部屋せかいで、い草の匂いのする空気を肺に吸い込んで落ち着こうとするも余計に心拍数が上がり、傷が痛んだ。

ひとりでもがいていると、障子の向こう側から重たい軋みが聞こえ、部屋の前で止まる。

怖い、誰。
恐怖心が一気に前に出る。

障子が開けられ、頭を少し屈めながら入ってきたのは見知らぬ外国人だった。

七分袖で襟のないリネンシャツに、ゆったりしたズボンを身に付けた、長身の男の人。手にはペットボトルのミネラルウォーター。
目覚めた私を見て、途端に目が大きく開いた。

「……目が覚めたか」

外国人の口から流暢な日本語が発せられ、一瞬頭が混乱するも、私は小さく返事をした。

「驚いたよ、小屋から人の足が見えたから……。怪我の処置はしておいたよ」
「……ありがとう、ございます。あの、すいませんでした。まさか人が……住んでいるとは」
「いや、いいんだよ。それより、ひどい怪我だったが何があった?親御さんは?連絡するから病院で……」

雨の音は、まるで滝が近くにあるようで。
私はたった今知り合い、灰色で、どんな色付きかも分からない人に泣いて懇願した。

「っお願いします、どうか、どうか母には……知らせないでください!!少しだけ、怪我が治るまではここに居させて下さい!!……治ればすぐにここを出て、自分で何とかします、お願いします、何でもします、少しだけ、お願いします!!」

ベッドに横になったまま、何とか目元に腕を当てれば、かなりゆったりとしたシャツからは見知らぬ人の匂いがする。

過呼吸になりそうな程に泣いてしまった私に男の人は苦しげな表情をしながら悩み、「分かったから泣かないで、落ち着きなさい」と言った。

その日から、私の居候を受け入れてくれた外国人・エルヴィンさんとの共同生活は始まった。

◇◇

エルヴィンさんは七歳の時に日本に来てから、日本での生活は今年で三十年目になるらしい。私の傷を手当しながら色々な話を聞かせてくれた。
雑誌のモデルをしていたり、建設の仕事をしていたり、古本屋の店主をしたり。そして今は、少し疲れてしまったと、長い間空き家だったこの場所を買取って自分で改装し、物書きをしていると言っていた。

静かな田舎の山の奥でひとりになれる時間は心地がいいと話した。

「寂しくないんですか?」
「ああ、寂しくないよ」

そう言ったエルヴィンさんは寂しそうに笑う。

次の日も、その次の日も。
エルヴィンさんは私をさっさと追い出そうともせず、丁寧な怪我の処置と、充分な食事と、睡眠時間をくれた。

数日が経過し、八月になった。
奇妙なことに、私たちはすぐに笑い合いながら会話できるようになっていた。
足の裏の傷も歩けるまでに良くなった私は、エルヴィンさんの許可もあり、家の中を歩いた。この日は久しぶりに、夜中から長い時間雨が降り続いている。

「ここにいたのか」
「……はい。雨が、久しぶり降ってるなって」

縁側に出て、窓越しに雨を見る私の隣に来たエルヴィンさんは錆鼠さびねず色の浴衣を着ていて、その手には紺碧こんぺきの美しい浴衣があった。

「外出も出来ないし、気分転換に。浴衣を着たことは?」
「……ありません」
「よかったら着付けさせてくれないか?」
「いいんですか?」
「もちろん」

大きな鏡のある、エルヴィンさんの部屋に入る。初めて入ったそこは様々な本が積み重なり、物書きをしていると言っていたエルヴィンさんの机には、高校で夏休みに出た読書感想文の原稿用紙と同じものがまっさらな状態で置かれていた。

「原稿用紙……」
「……ああ、なかなか話が降ってこなくてな。だが、ようやく書けそうなんだ」
「あ……いえ、こんなにネットが急速に進化してるのに原稿用紙なんだなって」
「まあ、誰かに見せる訳でもないしな。それに、今はスマートフォンさえ持ってない」
「そう、なん……ですね」

過去にモデルをしていて、他にもたくさんの職業を経験し、たくさんの人との関わりがあったはずのエルヴィンさんは、スマートフォンさえ持たず、テレビもない家で、酒や煙草さえやらない。なぜこんな何も無い場所に来たんだろう。
私はこの忌まわしい場所から離れたくて仕方がなかったのに。

少し疲れて全てを捨てるような弱い人には見えない、そんなエルヴィンさんは、何も無いような顔で私に浴衣を羽織らせた。
借りているTシャツの上から着付けられていく浴衣。雨の日にこんな素敵な浴衣を着るのは勿体ないような気もしたけど、胸がいっぱいになるような気持ちもあった。私はどこか、優しいエルヴィンさんに対して特別な気持ちを抱いていることに気が付く。

「着付けできるのすごい。私は日本人なのに全く分かりません」
「はは、私は昔……とにかく色々なことをやってみただけだよ。使わなければ無駄になる知識や技術だが、こうして無駄にしないようにしてくれた君には感謝してる」

ちらりとこちらを見た目が恐ろしいくらいに美しくて、私は恥ずかしさで目を逸らし、庭を見た。容赦ない雨は屋根から流れて滝のように見える。異様な関係の私たちをなにかから隠す様に、ひたすら降り続く。

「君の」
「っはい!すみません、」
「ああ、すまない。君の体にある痣や傷は……お母様が?」

特に隠すつもりも無かったので、「はい」とだけ返す。なぜ知ってるのかと聞こうとしたけど、そうだ、初めて会った日に着替えさせられていたし、その時に。
やましい事は何もなかったにしろ、今更恥ずかしくなって私が黙れば、エルヴィンさんは察して謝った。

「君には何もしないから安心してくれ」
「……はい」


君には=Aか。
遠回しに「君とはこの先何もないよ」と言われたように解釈して、勝手に胸がチクリと痛む。

「……母は厳しい人でした」

私は、着付けられていく浴衣を鏡越しに見ながら、自分の人生をエルヴィンさんに話していた。まだ出会ってひと月も経たない他人に対して、誰に対しても話をしたことのない話をしていた。こんなことは、初めてだった。
この時の私は話しながら、怪我が治ったら死のうと考えていて、最期にただの愚痴をエルヴィンさんに聞かせていたのだけど、エルヴィンさんは相槌をうちながら聞いてくれた。面倒な話なのに、嫌そうな顔ひとつせず、ただ「今までつらかったな。君は本当によくやってる」と言った。

私はそう言われて、いつしか涙を零していた。
紺碧の美しい浴衣に落ちた涙が、そこを深い藍色に染めた。前に座って浴衣を整えていたエルヴィンさんは私が泣いていることに気が付き、顔を上げた。
浴衣より、もっと美しい紺碧の瞳に自分の情けない顔が写り、目を閉じる。
ふと、頬に手が当てられて、涙を拭った。

「……エルヴィンさん、」
「君は優しい、優しすぎるんだよ」

温かい手の平のせいで、私はまた酷く泣いて、膝から床に崩れるようにして座った。エルヴィンさんはそれを抱きとめ、私を優しく、だけどどこか強く抱き締めた。

初めてだったように思う。
誰かに見せたこともなかったように思う。

これは綴ることのない遺書だ。
それを押し付けられたエルヴィンさんは私を抱き締めてくれた。それだけで私は自分が認められた気がして、それと同時に私はエルヴィンさんへの好意を確実なものにしてしまった。
相手にもされない虚しさと、母の暴力よりも残酷なこの優しい抱擁。

もっと早く生まれていれば……なんて。行き場のない感情に胸が潰れてしまいそうになる。

私は浴衣が着崩れるからと謝って離れ、泣き腫らした目で鏡を見た。

「……いいな。とても良く似合ってる。綺麗だ」
「エルヴィンさんも……素敵です」

私は鏡で自分の浴衣を見ながら、鏡にうつる彼を頭に焼き付けていた。これは内緒の話。


◇◇

八月も二週目に入った。
近頃は長いこと空がご機嫌斜めのようで、再び梅雨が戻ったような雨の日が続いている。

私の体はここに来てから約ひと月経ち、すっかり良くなっていた。今日も縁側に出て、窓にもたれながら強い雨に打たれる笹を眺めている。

浴衣を着付けてもらってからは浴衣を着ることが増えた。テレビもスマートフォンもないので、時間もかなりゆったりと流れ、時代が昔に戻ったような面白い感覚にいながら、ぽつりと母の顔が浮かんだ。

……母は、心配しているだろうか。
母は私を探しているだろうか。
今会えば、抱き締めて、今までの事を謝ってくれるだろうか。

期待した私は棚に保管されていて綺麗なままの下駄を手に縁側から出て、自宅への道を歩いていた。せっかくの浴衣をびしゃびしゃに濡らしながら、時折足を泥濘ぬかるみに取られ、よろけながらも自宅へ向かう。

しばらく歩いて、ようやく到着した自宅。電気は灯っていない。多分、電気が止まっているか、寝ているかのどちらか。
いつも鍵が開いている裏口を開けて中に入り下を見れば、母の靴があった。真横にある台所には、私がいつも片付けていて無かった空き缶や空き瓶がいくつも置いてあったり、出されず放置され、閉まらないくらいにパンパンに詰められたゴミ袋が口を開けたままいくつも置いてある。
私は入る前に少しだけ浴衣の水気を絞り、家に上がった。
台所と居間を仕切る磨りガラスの戸を、期待を膨らませたまま勢いよく開く。

「お母さ……」
「アンタねぇ!!今までどこ行ってた!?」

母が顔を歪ませている。
だけどその顔は、娘に会えた喜びで歪んでいるのではなく、いつも私を酷く扱う時の顔。

手に持っていたリモコンを投げ、私は咄嗟に手で防ぐと、それは腕にあたってビリビリと痛んだ。
防いだことで怒らせてしまい、立ち上がった母は私に近付いて落ちたリモコンを再び掴んで目の辺りを殴った。腹を蹴り飛ばされ、後ろにあるシンクに背中からぶつかる。その拍子に、真横に酒瓶が落ちてきた。
また何度も蹴られ、私は泣き叫びながら謝る。
私の淡い期待は、ただ無駄なものでしかなかった。
やっぱり私は、私は。

私は先程ぶつかった振動で落ちた酒瓶で初めて、母に反抗をした。足と、怯んで屈んだその横顔を一度ずつ、力一杯殴った。私はその隙に下駄を手にして逃げる。

母にあんな反抗を……。今度こそ殺される気がした私は必死に走って、走って、夢中で走って。
山道に入る手前で、見た事のある影を見つけた。

エルヴィンさんだ。

エルヴィンさんは私の名前を呼んで駆け寄り、私の顔を見た瞬間、その顔を少し歪ませた。それは母とは違い、泣き出しそうで、悲しそうなものだった。
腕が届く距離に入ると、エルヴィンさんは私を抱き寄せて「酷いな、こんな……許せない」と、私の顔を撫でる。

エルヴィンさんは他人なのに、なぜそんなにも苦しそうなの。

「……エルヴィンさんは、優しいですね」
「……優しくない」
「私は、最期にエルヴィンさんみたいな人に出会えて良かったです」
「……やめなさい、」
「私、エルヴィンさんのおかげで、初めて人を好きになれたんですよ。たったのひと月ですけど、エルヴィンさんのこと、私は……」

私の遺書ことばを最後まで聞かず、エルヴィンさんは私にキスをした。
突然のことに酷く動揺したし、恥ずかしくなって声を出せば、喉が潰れて自分の声ではないような変な声が出てしまうし、降り続く雨に目は開けられず、身長差で息が苦しい。

「っぷあッ!?エルヴィンさ、」

エルヴィンさんは膝を付き、紺碧の瞳を私に合わせた。


「もうどこにも行くな」


その言葉はたぶん、私の生きた十八年の中の、ほんの一瞬の短い時間で紡がれたはずなのに。
耳にうるさく入り込む雨音も、かえるの鳴き声も雷鳴も全て無いものにし、私の周りだけ時を止めた。

「過去を捨て、俺と共に生きてくれ」

おかしなことを言う人だなあと、これが最初に思ったこと。
だけど、その目も、私の痛む肩を掴んだ大きな手も、泥まみれの地面に着いた膝も。自惚れだと言われても仕方がないけど、その言葉に嘘はないような気がして。

「……はい、」

私は雨に隠すように涙を流したけど、エルヴィンさんは涙を拭うように頬をに手をやり、親指でゆっくりと撫でて。
私たちは再び、今度は躊躇いながら、互いに濡れた唇を重ねた。


◇◇

私はお風呂から出て、殴られて腫れた目を冷やす間にエルヴィンさんの部屋の大鏡の前に椅子を置き、そこで髪を乾かしてもらっていた。

「……俺は、君に出会う直前まで、ここで死ぬつもりだった」
「……なんとなくは察してました」
「はは、参ったな。気が付かれないようにしていたつもりだったが」
「人によってはバレますって。全てを捨ててまでこんな田舎に来てるから。しかもこんな山の中に住んでるし」
「そう、だな。だが君と巡り会って日々を笑って過ごすうちに、やはりまだこの時間を手離したくないと思うようになった」
「えっと……つまり?」
「……君に惚れていたんだよ。三十七のおっさんが、十八の君にね。今の時代なら犯罪だと言われるな」

ブラシで髪をとかすエルヴィンさんを鏡越しに盗み見る。

「……君のその熱い視線が俺の自惚れや勘違いでないことを祈りながら毎回着付けをした」
「き、気付いて……、」
「良くも悪くも、大人は上手く見ない振りをするんだよ」
「やだ……、」

体が熱くなり、顔を手で仰ぐとエルヴィンさんは優しく笑った。紺碧の瞳に見つめられ、恥ずかしくなって庭を見る。
雨はいつしか涙がぽろぽろと零れ落ちる程度の弱さになっていて、笹の葉の隙間からは美しい茜色の夕陽がちらちらとのぞき、涙雨を宝石のように輝かせた。

「……綺麗だ」

思わず見惚れてしまう私の後ろで、エルヴィンさんが静かに言う。

「……はい、本当に」

私は鏡越しにエルヴィンさんを見て、目が合った。
これは内緒の話だけど、私の返事は、庭に輝く茜色の宝石に対してではなく、エルヴィンさんに対しての返事。エルヴィンさんは座り、私の手を握って「怪我が良くなって、晴れていたら花火をしようか」と言った。


「……エルヴィンさん、好きです」


優しいエルヴィンさんは、少し間を空けて「俺も好きだよ」と、私の手の甲にそっとキスをした。
茜色の差す庭の方から、ひぐらしの鳴き声と、ささやかな涼を届ける風鈴のが聴こえる。

夏を飾る風物詩から目を離してエルヴィンさんを見つめれば、少しの衣擦れの音が聞こえた後、私たちは感触を確かめ合うように唇を重ねた。

エルヴィンさんからの濃艷のうえんな口付けに、意識が遠のいてしまいそうになる。

きっと、恋多き母でさえもこの「ようやく出逢えた」という感覚や、「どうしようもない愛おしさ」、「この人と添い遂げたい」という気持ちを最期まで知ることなく死んでいくのだと思い、私は口付けの端から笑みを零した。



――夏。ひぐらしの鳴く八月半ばの夕方。
夕陽の差す部屋で、空が泣き止んだことにさえ気付かないただの男女が、真新しい原稿じんせいに愛を綴る。

それを知るのは、水濡れの艶やかな葉から落ちる雫ばかりであった。




- 紺碧あなたの瞳と夏の涙雨なみだ。 Fin-

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