「うふふ、私とミホークが運命の赤い糸で繋がれてるわ」

「…赤くなるのは当然だろう」


二人を繋ぐ糸は赤く染まっていた。



Fateful encounters



「そうね、これだけ血を浴びたんだから赤くならないほうがおかしいわね」


二人の周りにはそこそこ名を上げていた賞金稼ぎ…元はミホークへの復讐目的だった者達が若干名倒れている。中には肢体が無い者もいた。


「…全く、名前は妙なことを思い付くな」

「そうかしら。…素敵じゃない?」


これ、と名前は左手の小指を見せる。小指には白かった糸が結ばれ、その先にはミホークの左手小指があった。


「…戦いにくくてかなわん」

「嘘。余裕綽々で斬りかかってたじゃない」


最初は名前のお遊びで糸が結ばれ(赤糸がなかったので仕方なく白糸だった)、ミホークは解くのも面倒だったのかそのままにしていた。
そんな矢先、輩に狙われ現在に至る。


「この糸切ればもっと楽だったかもしれないのに」

「…切ってしまえば名前が悲しむだろう」

「…優しいのね」

「惚れ直したか?」

「ええ、愛しているわ」


名前は赤い糸を手繰り寄せ、返り血を浴びたミホークを抱き締める。
ミホークは名前を軽く上向かせ噛みつくように口付けた。口内に広がる血を味わうようにねっとりと舌を絡ませ、名前も首にぶら下がるように抱き付き、自らも舌を絡ませる。


離れた二人の唇を赤い糸が繋げていた。
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