リヴォルヴァーに薬莢をひとつ詰めて、楽しいゲームを致しましょう。


「随分ベタなゲームだな」

「怖いならいいのよ」

「フッフッフッ…!やってやる。本物だよな?」

「当たり前でしょう」


カラララッとシリンダーを回転させる。
コインを投げれば彼は裏と答えた。手の甲のコインは…


「…裏」

「フッフッフッ!ギャンブルでおれに勝てると思うなよ。レディーファーストだ」


銃口を頭に向けてトリガーを引く。

カチッ。


「…どうぞ」


リヴォルヴァーを手渡すと、彼も躊躇いなくトリガーを引いた。

カチッ。


「ほらよ…名前」

「…なに」

「お別れのキス、だ」


ちゅ、と触れるだけのキスをして私から離れたドフラミンゴ。…わかったわ、これで最後。


「さよなら、私の負けね…ドフラミンゴ」


パンッ…


乾いた音と共にドサリと女は崩れ落ちた。
それを見ていたドフラミンゴは死体となった女に近寄り持ち上げる。
まだ温かい女は柔らかく、ドフラミンゴは噛み付くように口付けた。


「…フッフッフッ!不思議なモンだなァ…さっきまで動いてた喋ってた生きていたのになァ…」


女を放り投げ、ドフラミンゴは続ける。


「フフフフッ…!生死がなんだ。おれか、名前になるか?くだらねぇ!」




ドフラミンゴは愉快そうに不愉快そうに笑いながら部屋を後にした。



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