「ちょっと、やめっ…!」

「いいだろい、減るもんじゃないし」


名前の部屋からマルコの声が聞こえた。
オイオイ…名前はおれの女なんだけど?つか、何で部屋にマルコがいるんだ?


「きゃ…?!」

「おっと」


そっとドアに耳を当てるとドサッと何かが倒れた音が聞こえた。待て。今のドサッは聞き覚えがある。
…………ベッドに倒れる音じゃねぇか…?え、マジ?ちょっと…え?


「た、たいちょ…っ」

「…これは不可抗力だろい」

「なら早くどいて下さいっ」

「…どうしようかなァ」


今中の状況どうなってんの?!マルコに限って名前に手ェ出すとは思えねぇし、名前だっておれのことが大好きなはずだ。
第一、今不可抗力って聞こえた。事故だ事故…だけどどうしようかなァってオイ!


バァン!


「名前はおれのもんだぁあ!!」

「「エース?!」」


堪えきれなくてドアを壊す勢いで開けば、やっぱり名前はベッドでマルコもベッドで二人は重なっててうおお!

「ちょ…エース、待て。これは不可抗力だよい」

「あァ?」

「うわあ燃えてる…って、部屋、燃やされる!マルコ隊長止めてっ!」

「エース!おれは大丈夫だが、名前が燃える!」

「あ、そうだよ私一般人だよ!エースストップ!」

「…何で、此処にマルコが…?」

「あぁ、ちょっと資料を借りに」

「やめてって?」

「そうそう、隊長に貸すと何ヶ月も帰ってこないから嫌なんだけど…隊長が無理矢理」

「資料くらい…」

「資料は手元に置いておかないと落ち着かないんです」

「…で、名前は何で押し倒されてるんだ?」

「ベタだけど転びました」

「マルコ退け」

「(ヒィ…)…わかったよい」

「それと名前」

「(ヒッ!)…はい」

「その資料貸せ」

「…そこに落ちてます…転んだ時にそっちに飛んだみたい」

「……これか」

「「はい」」


ボォォッ…


「「ああああ?!」」

「…これで、マルコが此処に来る理由なくなったな!解決だ」


唖然としてる名前に近付いてキスしてやれば慌てふためく。

「っ…な…え」

「あーあ…まあ、確かに用はなくなった。邪魔だろうから退散するよい」

「おう、そうしてくれ」

(エース黒いよいっ!)




嫉妬

(…大事な資料だったのに)
(おれは名前のが大事なんだけど)
(…オヤジの、大事な資料だったのに)
(……え?!)
(何処だエース!!グラララ…)
(ヒィッ!?)

- ナノ -