man is not looking at me.

woman is not looking at me.



LOOK AT ME!!



背中合わせで立つ二人は笑いながら手を絡ませる。


「フッフッフ!何だ、おれが恋しいか」

「あら、私が恋しいの?」


女の前には森が広がり、男の前には海が広がる。足元には植物と砂浜の境界線があった。


「ねえ、ドフラミンゴ」

「なァ、名前」

「一緒に陸で暮らしましょうよ」

「一緒に海で暮らそうぜ」


言葉は違えど意味は同じで、二人はまた笑う。


「どうしても海なの?」

「どうしても陸か?」

「私、海は嫌いよ」

「陸はつまらねェ」

「だって野蛮じゃない」

「この平和は耐えられねェ」

「ふふふ!」

「フフフ!」


互いに一歩踏み出せば離れる体。


「…その手を離しなさいよ」

「……フフ!フッフッフッフ!!」

「…ドフラミンゴ?」


名前の体が反転する。声をあげる間もなくすっぽりとドフラミンゴの腕の中に納まった。


「ドフラミンゴ!」

「こんなつまらねェ陸とはオサラバしようぜ、名前」

「…だから嫌いよ、海って。何でも奪っていくわ」

「おれを見ろ」

「…海に出たら貴方を失いそうで嫌」

「そんな弱い訳無いだろ」

「私を見て」

「…トロイお前を陸に置いてたら新しい時代に乗り遅れそうだ」

「そんなトロくないわよ」


二人は漸く視線を合わせた。


「……ふふ」

「…フフ…!」

「いいわ、貴方の言う時代に連れて行ってよ」

「あァ、ついてこい」

「誓いなさい。私から目を離さないって」

「誓う。名前こそ、おれから目を離すな」

「私だけを」

「おれだけを」

「見て」

「見ろ」


笑い声が重なり、指を絡ませ、唇を合わせて再び笑えば離れない視線。
- ナノ -