あれから、私は不敵に笑っていたドフラミンゴが倒れていて、全く動かなくて、呼ぶ声にも反応しないのを視た。 …嘘でしょ。ねえ、ドフラミンゴ、ドフラミンゴ!揺さぶって叫んでも。 「…チャン…お嬢チャン!起きろよ、寂しいだろうが」 「っ…え、…あ…ドフラ…!?」 「オハヨウ」 「…お…はよう…」 …私は寝ていたらしい。目の前に眩しいくらいのピンクが広がっていて、寝起きの目にはきつかったけれど、何だか安心してしがみついた。 ドフラミンゴは私を抱き締めてベッドに寝転がる。 「フッフッフッ!珍しいな、そんなにおれが恋しかったか」 「……掃除は…?」 「簡単に片付いた。あんなレベルでおれの女を狙うとは依頼人は頭イってんじゃねェか?」 「…そっか」 「……。オイオイ、どうしたんだ?いつもの強気なお嬢チャンじゃねェ。偽者か」 「そんなわけ無いでしょう」 独特に笑ってぎゅっと抱き締めてくれた。現実のドフラミンゴは暖かくて、さっきのは本当に夢だったんだと、よくわからないことを考えた。 「お嬢チャン」 「…名前、名前を呼んでドフラミンゴ」 「…名前。心配すんな」 「…心配なんてちょっとしかしてないよ」 「フフフッ…!」 「…ドフラミンゴ、これから私はどうしたら良い…?」 「さァな?おれに出来ることなら何でもしてやるが…どうしたい?」 …自分もドフラミンゴも、わかってるくせに。 「…ドフラミンゴ」 「何だ、名前」 これから私を守ってくれてもいいよ。 (フッフッフッ!素直じゃねェのが名前らしい。ホラ、守ってやるからキスしろ) (…ドフラミンゴらしいわ) 軽く触れるだけの口付けひとつ。 |