「そんな馬鹿な」


サングラス片手に名前は呟いた。
大の字で眠っているドフラミンゴのサングラスを興味本位で外したら、寝顔が思いのほか可愛らしく。
…名前は見なかったことにしてサングラスを元に戻す。気のせいだわ、と言いながらベッドから離れれば体が硬直した。


「…あらおはよう、ドフラミンゴ」

「フッフッフッ…!寝込みを襲うとはなァ」

「襲ってなんかないわ」


襲ったうちに入るだろう、と笑いながら言いドフラミンゴは体を起こした。
クイッと指を動かせば名前はベッドへ体を向ける。対面してみれば何とも言えない複雑な表情が見えた。


「何だそのカオは」

「…いや…その…ね?」


スタスタと名前の意志に反して足はベッドへ向かう。あと数歩の所で腕を引っ張られ、ベッドへと倒れ込んだ。
衝撃は柔らかなマットに吸収され、体は沈む。


「そんな馬鹿なってどういう意味だ。名前?」


覆い被されば近くなる吐息。心臓が跳ねるのは気付かないフリで目を逸らした。


「…聞こえてたの」

「部屋に入ってくる時から起きてたからな」

「まあそんなことだろうと思っていたけど」

「…で?どういう意味だ」

「…ギャップが凄かった、ただそれだけ」


ギャップ?ドフラミンゴは名前を見下ろしながらギャップなんかあったかと考える。


「…だからね。サングラス取った、」


寝顔(フリだったけど)が可愛かったのよ!


(…?!)
(そんな馬鹿な!って言いたくなるでしょ)
(…まぁ確かに…)
(信じられないわ。こんな奴にときめくなんて)
(こんな奴?こんなギャップもあって素敵なドフラミンゴ様を捕まえておいて何言ってやがる)
(自分で言うか!)








「可愛いだなんて、そんな馬鹿な」
名前が無い
お題拝借しました。
Thanks!
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