「名前、すまないがまたアイツの相手をしてやってくれ…」


伯父のセンゴク元帥が呼んでいる、ということはまたあの人が来たっていうこと。
…正直言ってあの人は苦手だ。掴みどころがなくて、何を考えているのかわからない。それにピンク。私はピンクが嫌いだ。


「またですか」

「そんな嫌そうな顔をするな。最初に謝っただろう」

「…はい。すみません。すぐ行きます」


人に謝られるのも苦手だ。
これ以上迷惑がかからないように足早にあの人の元へ向かう。


「フッフッフッ!やっと来たか。久々だな」


苦手なこの人、ドフラミンゴさん。何故か知らないけど私は気に入られているらしい。
客間に入り大きな溜め息をつくといつも通り体が勝手に動いて苦手なピンクへダイブする。


「フッフッフッ!そんなに会いたかったのか?」


暫く(不本意ながら)抱き付いた後解放され、彼の足の間に膝立ちになる。
操ったのは貴方ですよ、と呟くと腰に手を回された。


「相変わらずつれねぇな」


ニヤニヤ笑いながら体のラインをなぞる。


「っ、何を」

「何って、ナニだろ?」

「私は海軍で貴方は海賊です。今すぐセクハラをやめて下さい」

「フッフッフッ!コワイコワイ。抵抗すりゃいいじゃねぇか」


抵抗した所でどうにかなるわけじゃない、今までの経験から答えはもう出ているわけで。諦めて苦手なピンクに顔を埋める。


「随分と可愛いことしてくれるじゃねぇか。フフフッ!積極的な名前もいいな」

「どう考えたら積極的に見えるのでしょうか」

「違うのか?…これはどう見ても積極的だよな?」

「…は?」


ちょっと誰に話し掛けて…


「…ああ、まさか名前とお前がそんな…」

「伯父さま!?違うんです、これは!」

「フッフッフッ!」

「あれっ、ちょ、ドフラミンゴさん!解いて下さい!」

「積極的になったのは名前チャンだろ?伯父公認なんだ。もっと楽しもうぜ」

「やっ、伯父さまも突っ立ってないで助け…て、待って待って行かないで下さいいいいい!」

名前の悲痛な叫び声とドフラミンゴの至極愉快そうな笑い声が響く。
センゴク元帥はその日、仕事が全く出来なかったそう。



苦手なピンク




(おい、あの元帥殿が落ち込んでるぞ)
(何だあの見事な負オーラは)
(うおお…見てるこっちまで落ち込むわ)
(そういや名前ちゃん見たか?)
(ああ見た。最近女っぽくなったよな)
(…元帥が落ち込む理由はもしかして)
(…名前ちゃん、とうとう喰われたのか)
(げっ、俺狙ってたのに)

「やかましい!聞こえているぞ!!」

(((ヒイィイイ!)))


(フッフッフッ!こりゃ、敵が多そうだ。名前は渡さねェけどな!)

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