渇く、渇く。 水分がなくなる。 「…名前」 急に駆け寄ってきたと思えば「水分を奪って下さい」だと。 コイツは一体何がしたいんだ…仕方なく右手で軽く水分を奪う。 「っ…あ、のど、渇くねこれ」 そりゃそうだろう。 「クロコダイルは…いつもこんな風に…渇いてるの?」 「…あぁ?」 「だって砂だから、水分無さそうだし」 …そういうことか。 「クロ…んっ?!」 グラスに注がれていた水を口に含み口付けると名前は喉を鳴らして水を飲み込む。 「お前は余計な心配しなくていい。渇くのはおれだけで十分だ」 「…クロコダイル」 「あまりしつこいとミイラにするぞ」 「…本望です」 「……ハァ」 …この能力を身につけてから確かにおれは渇いているが、それで困ったことはない。…が、今はコイツが困らせる。 「ミイラになっても大切にしてね」 「…カラッカラに乾いたミイラなんざ傍に置く価値もねェ」 「…私でも?」 「…名前なら砂にして瓶詰めにしてやる」 「…それならずっと傍にいられるね!クロコダ 「持ち運ぶのが面倒だ」 …ことごとく否定されている気がします」 「否定しているからな」 「そんな…!」 「ハア…おれが言いたいのはな、」 渇望 (ずっと生身のまま傍にいろ) (…!(生身…?)) (そんなに砂になりてェならやってもいいが) (このままでお願いします) (クハハ…!) |