クレオメ



「名前みっけ」

「あはー、見つかりました」

「こんな風強い日に外に出るとかどうしたの。髪乱れまくりじゃないの」

「…花が舞っていてキレイなんです。…青雉さんこそこんな風強い日に外に出るとかどうしたんです」

「…名前が花のように飛ばされたらと思って居ても立ってもいられず」

「…そんなに軽くないですよ」

「知ってる。だけど、ね?」

「ね?って。…あ」

「ん?」

「…蝶が、飛ばされてた」

「あらら。この風じゃ飛べないだろうね」

「…花みたいでキレイだった…不謹慎?」

「……」

「…知ってますか。クレオメという花の花びらは蝶の形をしていて、蝶が集まっているように見えるんです」

「へぇ…」

「その花が今の風で舞ったら、蝶が舞っているように見えるんでしょうね…」

「…フゥー」

「? わ…!」

「どう?これ」

「キレイです!結晶ですか?わあ、太陽に反射して風に乗って…!!」

「うん、キレイだね(名前が)」

「すごいキラキラ!ありがとう青雉さん!」

「うん」




風に抗えない蝶を思って憂う顔を見るより、笑顔が見たいんだ。




クレオメ/西洋風蝶草

*花言葉
風に舞う胡蝶


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