「…ミホーク」

「何だ」

「非常に暑いのですが」

「そうか?おれは特に」

「……」


ミホークは熱帯夜だというのに名前を抱き締めていた。じんわりと汗ばむ肌同士がベタベタとくっつく。


「…暑い…」


離れようと試みても無駄だった。ミホークの腕は名前の肩と腰をしっかり捕まえている。逆の発想で胸にぴとっとくっついてみるも、頬が余計熱くなっただけだった。


「ミホーク…」


溜め息をついて心音を聞く。一切乱れない心音に多少ムッとしつつ、名前自らも手を回して抱き付いた。更に体温が上がる。


「……暑い」


暑さで思考がふわふわする中、名前は無意識に目の前にあった胸板を舐めていた。


「……名前から誘われるとは」

「…はっ!いや、これはつい!」

「つい、では舐めないだろう」

「いやいや、つい、です」


ミホークの抱き締める力が少し増した。


「ひい…!」

「覚悟は出来ているんだろうな」

「出来てません!やあ、…っ!」


名前の耳元に口を寄せ、舌先で耳をなぞる。


「や…っ!ん、あ…ミホーク…!」

「嫌よ嫌よも好きの内、だ…」

「な…っふあ!」


水音がを支配して、脳内を麻痺させた。
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