「ゾロ!今日の約束忘れてたでしょ!」

「あァ…?何か約束してたっけか」

「!!知らない!」

「オイ名前!」

「おっとっと、名前ちゃん!…行っちゃったよ…。毬藻、何したんだ?」

「…別に」

「何もなかったらあんな顔しないだろ。てめぇ、名前ちゃんに何かしてみろ!オロすぞ」

「何もしてねぇっつってんだろクソコック!」


…それから始まって何故か夜まで続いた言い合いはナミの「お腹空いた」の一言で終了した。寝る気も無くなって、部屋に戻るとベッドには名前が寝てた。


「うお?!」


もしかして昼間っから此処に居るのか?…あのクソコックさえ居なきゃ二人きりで過ごせたってことか?クソッ!


「…名前」


ベッドに腰掛けておれの布団に包まってる名前に覆いかぶさる。…無反応。


「…忘れてなんかねェよ。おめでとう」

「……ッ!!」

「お、やっぱり起きてた」

「ぞ、ろ…!」

「悪い、あの後すぐに追いかけて祝うつもりだったんだが…どっかのクソラブコックに捕まってな」

「…知ってるよ、見てた。今日はかなり白熱してたね。もう本当にどうでもいいことでも言い争うことが出来るんだから、一種の才能だと思う」

「んな才能いらねェ」


笑えば名前も笑った。力を抜いてベッドに体を預けると、名前は抱き付いてきた。


「ゾロ」

「ん?」

「ありがとう」

「…おう」

「お祝い事なんて興味無かったけど、好きな人にお祝いされると違うね!」

「!!…そ、そうか」

「…どうしたの?ゾロ。顔赤いよ」

「うるせぇ…お前が変なこと言うからだろ」

「変なこと…?」


もういい喋んな、そう言って口を塞ぐ。


「んぅ…?」


唇を押し付けたまま口を開ければ名前の口も自然と開く。舌を伸ばすとすぐに絡まった。珍しく名前からも絡ませてきてる…こんなにゾクゾクしたっけか。


「んっん、…ふあ…」

「っは…名前からもなんて珍しいな」

「…折角の今日だから、ね。ゾロもなんか可愛かったし」

「うるせぇ」


くすくす笑う名前の首筋に噛み付く。シャツのボタンを外してブラの上から揉んでやる。声を出しながらもまだ笑う余裕があるらしい。じゃれあいながらシャツはそのままに、ズボンと下着を脱がした。おれも羽織りを脱いで覆い被さる。


「ふふ、ゾロのその傷、大好き」

「あァ?」

「鷹の目に見事と言わせた貴方の気高い剣士の精神、愛しい」

「バーカ」

「褒めたのに、ふふ」

「今はおれ以外考えんな」

「あ…っ!」


傷をなぞる手を押さえつけて十分に濡れたそこを貫いた。絡み付いてきて熱い…深く息を吐いて名前の腕をおれの首に回させた。


「んんー…っ」

「動く、ぞ」

「いいよ…っあ、ん」

「名前」

「っ…あ…んっんっ!」

「中、熱い…溶けそうだ」

「ゾロの、もっ、熱いっ…ああ!ひ、や…ッ」

「あんま締め付けんな」

「やああ!そんな、つもり…な…あッあ、ん、ぁああ!」

「…まだまだ」

「ちょっ…や、待って!あっあっ、んーっ」

「折角の今日だからな?名前が満足するまでやってやる」

「ばかっ!やあん…っ!」



…おれが満足したのは名前が疲れ果ててぐったりした頃。




(名前のが可愛いだろ)
(ばーかっ)








100916






- ナノ -