「よーう、鷹の妹。よく来たな!」


シャンクスはテーブルに頬杖をつきながら、部屋にやってきた名前を見て挨拶をした。


「…シャンクスさん、私には名前という名前があります」


名前は腕組みをしながら座っているシャンクスに近寄る。背中にはミホークと同様、大剣が背負われていた。


「名前があるっつってもよー。妹なんだから仕方ないだろ」

「だからって…」

「良いではないか、名前」


名前の後方からミホークの声が聞こえた。シャンクスはニカッと笑いながらドア付近に立っているミホークを見やる。
兄妹はシャンクスの向かい側に座り、彼の注いだ酒を飲み始めた。


「…して、赤髪。急に呼び出して何用か」

「いやー、急に名前に会いたくなって」

「ぶはっ?!そうなの?」

「それで名前宛に手紙書いたんだが、全部どっかの鷹に阻止されたらしくて…な?」


シャンクスは目が笑ってない笑顔でミホークを見たが、彼は全く動じずにグラスに口を付けた。


「え、どっかの鷹って、まさか兄さん…?」

「まさかじゃなくてもお前の兄だ。ひどい兄だよな?ただ会いたいだけ…」

「全部の手紙読んだの?」

「疑問に思うとこはそこかい、名前」

「否。赤髪のだけ切り捨てた」

「ひどっ!お前いつか友達なくすぞ!」

「なんだ、シャンクスさんのだけか。良かった」

「そこ!良かったとか言わないの!」

「奴の手紙にはな、名前。お前を愛し」

「おわー!やめろ!お前の口からは聞きたくない!」

「…愛しているぞ、名前」

「兄さん…!」

「…オイ、待てシスコン。それはおれのセリフだ」

「…おれへの…?」

「シャンクスさん…まさか兄さんを」

「違う!全く違う!ややこしくするな!」

「それじゃ、簡素にまとめてみよう。シャンクスさんは兄さんが好きだ」

「ちっがーう!おれが好きなのは名前!」


ガタンと席を立ち、ゼェハァと息を切らすシャンクスを兄妹は黙って見つめた。


「…赤髪、覚悟しろ」

「ぁあ?覚悟って…待て待て。本気で斬りかかろうとすんな!」

「…む、では冗談か?」

「ひどい!さっきの言葉は冗談だったんですね、シャンクスさん!」

「冗談なワケないだろ。おれは本気だ」

「よし、覚悟しろ」

「ああぁあ!兄妹揃って!何で!からかうんだ!」

「「愉快(だから)」」

「…お前ら…」


シャンクスは体中の力が抜け、座り直してがっくりと肩を落とした。それを見た兄妹は口角を上げ、満足そうに笑った。



からかいがいがある



(はーあ、お前らに突っ込むのめちゃくちゃ疲れる)
((感謝を述べよう))
(褒めてねー!…ん?)
(どうした、赤髪)
(…いや…)

疑問符を浮かべるミホーク。
テーブルの下では名前とシャンクスの素足が絡まっていた。

(…やべ、足先って結構クる…)
(…シャンクスさんの足って大きいな…)
(…?二人して黙ってどうしたんだ…?)








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華音様に捧ぐ。
鷹妹設定。
シスコン鷹の壁は高いようで、意外な所に穴がありそう。

遅くなりましたが、どうぞお受け取り下さいませ。

リクありがとうございましたっ!
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