「ん?どうした?」


神と名乗る男は林檎をかじりながら己を見上げる少女に問い掛けた。
少女は答える。


「何でもありません、エネル様」


神と名乗る男、エネルは少女を抱き寄せ口付け、林檎を舌で押し込む。
少女はされるがまま林檎を噛み砕く。


「…甘いですね、エネル様」

「ヤハハハ…!そうだな…」


エネルは満足そうに少女の頬に、額に口付ける。
それを制すようにエネル様、と小さな声で囁く。


「何だ?」

「くち、にもお願いします…」

「先刻もしたような気がするが」

「…あれは林檎を頂いただけで」

「言うようになったな?名前」

「ええ、…おかげさまで」


くすくすと名前と呼ばれた少女は笑う。


「ヤハハハ!好きなだけやろう」



林檎味のい口付けを。


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