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あれからまた言い合いながらも昼間のギルのセリフがふと頭によぎった。心配…かけたんだっけ。…お礼、言っておこうかな、




「先生…」


「…なんだ?」


「今日はすみませんでした、先生心配してくれてたのに…」



「…」



「つ、次からは必ずやこのようなことはな「何言ってんだお前」」



「…いや、だから今日の反省を…」



「何で俺がお前みたいな餓鬼を心配しなきゃいけねえんだよ」



「…はい?」



「凛が倒れた時は笑わせてもらったぜ、自業自得だってな。」



「な、な、な…」



けらけらと楽しそうに笑いながらそう言いきった先生に全私がクレーマーになってしまいそうだ、さっきの感動と謝った気持ちを返せこの非情教師…!



「ああもうわかってまーした!アーサー先生は非情なお方だとね!!」



「俺は勘違いしてたな。お前はただの馬鹿なんじゃなくて本物の馬鹿ってな」



「何だとー?!」



「教師に向かってその口の聞き方はないよなあ凛?」



「ひいいいい触るなセクハラ教師?!」


「礼儀のなってないお前には補習してやるよ」



離れないように腰に手を回して力を入れる先生を思いっきり睨むが逆効果らしく、目を細めては舌なめずりをしている。助けて委員長!我がクラスの担任はセクハラ教師なんだよ?!!




「離せカークランドオオオ…!!」


「次呼び捨てしたら首噛む」



「離してくださいアーサーせんせえ?」


「却下」


「うわあああん犬でも猫でもバッタでもいいからお巡りさん早く来てえええ?!」



さすがの私も異性、しかもアーサー先生とここまで至近距離だと恥ずかしい。いや、他の人でも同じくらい恥ずかしい、がしかしカリエド先生だと間違いなくつむじから土石流が流れるだろう。…話がそれた、まあはっきり言って顔に熱を帯びるというか土石流が流れそうというか…




「ぐうううう…」



「は、やっぱり餓鬼」



「先生なんか白菜にあたってくたばればいい…!」



「…」



「…」



「…」


「だ、黙らないでくだ…」



…さい。と言おうとした一瞬の事だ。さらに縮まる距離、先生の顔が見えなくなったと思えば何やらおでこに柔らかい感触が。




「…」



「まあでも、よく頑張った」



「…」



「生意気な餓鬼にご褒美」




固まる私にくつくつと笑う彼が私から離れる。ひゅーと吹く風を感じて少し肌寒い。



私が事の状況を把握するまで、あと5秒。





(っ〜?!!)
(家まで送るから乗れ)
(なっ、なっ、せ、ええええええ?!)
(それ以上騒ぐと口塞ぐ)
(…)
(よし乗れ。)



**


長いので二話にわけてみました!クラスマッチ編終わりました!

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