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ふわふわり、地に足がついてないようなこの浮遊感にすかすかの脳内。目の前は真っ暗で何も見えないのにひたすら私の名前を呼ぶ皆の声だけははっきりと聞こえていた。その中でも一番大きな一声を聞いた後、聴覚までも役に立たなくなってしまった。
*
温かい。そしてすごく静かで落ち着く。私じゃない体温を感じてゆっくりとまぶたを開ければ真っ白な天井に真っ白なカーテンが見える。ああ保健室かー、とぽわんぽわんしている頭で考えつつ手の温度の正体を確かめるべく顔だけ横を向けば目の前には繋がれた私の手と銀色の髪の毛。スースーと規則正しい寝息に上がったり下がったりする肩、寝ているのだろうか、
「ぎ、ギルー…先生?」
「…」
「…何でギル先生がここに、」
「んっ…」
「お、」
ギルさーん朝っすよー、と体全体を横に向けて右手の人指し指で銀色の頭の中心、つむじをぴんぽんぴんぽんと連打してみると驚いたのか急に起き上がった。
「って凛!?」
「どもっす、」
「どもっすじゃねえよ馬鹿かお前?!」
「あっはっは、若気のいたりっすよ!」
「っ…だからって倒れるまでやんなよ…頼むから自分の体は大切にしてくれ…」
「え…、」
けらけらと笑って答えればきっと彼も笑って答えてくれるだろうと思っていたけれど大外れ。握りしめた手をさらに強く握って辛そうな顔をする彼を見たのは始めてで少し戸惑ってしまう。
「…」
「あの…」
「…」
「…その、ごめ、んなさい」
「もう無茶しないか?」
「多分…いや、しない、約束する。」
「ん、ならいい。」
ああすごく心配をかけてしまったと思いしらされて胸がぎゅうぎゅうする、もしかしたらアーサー先生も心配してくれていたのかもしれない、それなら私すごく嫌な子じゃないか。後から気づくなんて駄目駄目だ。そう寝転がったまま思っていると、辛そうな顔をしていた彼は優しく笑ってくしゃくしゃと私の頭を撫でる、温かい。
「わかればいーから、そんな顔お前らしくねえから笑えよな」
「に、にい…?」
「ケセセっこええな!!」
「ふっふふふふ、」
「よし、…でもう大丈夫か?もうちょい寝るか?」
「あー…あ!決勝せっ!…っ」
「おい?!」
勢いよく起き上がれば頭に鋭い痛みが走り顔を歪ませる。こんなだったのか私の体は。
「無理すんな、それにもう全部終わってるしよ」
「え」
「クラスの奴とかたくさん来てたぜ、凛ちゃん大丈夫ですか〜って。」
「そ、そうっすか…終わって…」
「あいつらも来てたぜ、カークランドとかフランシスとかアントーニョとか。」
「…ええと、私を運んで下さったのは、」
「俺様」
「チッ」
視線を斜め下に向けて舌打ちをすれば、繋がれていた手をあっさりと離されて両こめかみをゲンコツでぐりぐりとされ、いたあああああと声をあげる。
「感謝しろよ凛」
「いぎゃあああああ痛い痛い痛い?!」
「そりゃあ痛くしてっからな」
「暴力教師ー!!くたばれえええええ!!」
「ケセセセセセ!」
「バイルシュミットおおおおお!!」
「っうわエリザ!?」
「エリザ先生助けてえええええ!!」
「任せなさい」
「フライパ、うわあああああ?!!」
(大丈夫凛?!体調悪くなるまで頑張っちゃ駄目よ!)
(それよりこめかみが…!)
(俺様頭部があああああ)
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まさかの(´^ω^`)まさかのまさかの(´^ω^`)(´^ω^`)
まだ地味に続きます
0412