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愛しのあの人の声が耳にこだまする。凛々しいけどどこか暖かみのある…そう、まるで張るカイロのような声。ああずっと聞いていたいわはあはあずっとお…ずっとうふふはははははっ





「…ってことなんやけど皆わかった?」



「あらやだカリエド先生ったらわかってますよ!張るカイロですよねうふふははははは」




「この時期に張るカイロはちょっと暑いで凛ちゃん!」





そうやなくて球技大会の話や!と頭上に登っている太陽なんか目じゃないくらい光輝く笑みで拳を上にあげるカリエド先生。ああそうだ、遠足も終わって大分経ったし、アーサー先生がSHRで言っていた気がする。





「女子はバレーボール、男子はサッカーやで!…いやあ担任としてはな、5組が優勝してほしいんやけど4組にも頑張ってほしいわあ」



「香」



「何すか。」




「死ぬ気で殺れ」



「殺れ言うな」



「カリエド先生の好意を無駄にするのかばっきゃろっとう!」




「何凛ちゃんばっきゃろっとうって。」




「しかもカリエドのあれはお世辞っしょぶっちゃけ4組負けろとか思ってるっすよ」




「やっぱり担任としては自分のクラスに優勝してほしいだろうね」




そう鼻で笑う香と爽やかに笑うトーリスの間に挟まれた私はしょんぼりんぬだ。




「で、今日からの体育は球技大会に向けて男女別々の練習するでー!」




「…少しいいだろうかカリエド。」



「おっ?どした弟くん?」




「弟くんは止めてくれと言ったはずだが…まあいい。男女別々といったが1人で指導するのだろうか」




「?そうやでっ」



「さすがカリエド先生いいいい!!1人2役素敵!」



「凛ちゃん立ち直り早いね」





先生バレーもサッカーも得意なんやで!と言う先生。大量に入ったボールかごを触って2人1組で練習開始や!と言えば4組も5組も生肉を狙うライオンのごとくボールをとりにいった。






(湾!いくわよアタッークナンバースリー!!)
(ナンバーフォー!!)




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