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「うぐ…あ、カリエド先生…」



「駄目やで凛ちゃん、動いたらあかんよ!」




「な、ここ…どこですか?」



「保健室やで。王先生がなあ、泣きながら頭から血流した凛ちゃん担いできてびっくりしたわー…」



「そ、そうなんすか…」




「先生もちょうど転んでもうてな〜、膝がヒリヒリするわ」




ベッドで寝ている私に先生はズボンを捲り、膝頭に絆創膏が張ってあるのを私に見せて笑う。やってもうたわ〜って、かわえええええええええ!はあはあ可愛いな先生






「ここに婚姻届が!きゃあん何でだろー、びっくりしました!」




「は?」




「…あ、れ…?」




うふふふふと笑いながらそう言うと目の前には冷めた顔をしたカリエド先生…じゃなくて、…え、あれ、





「笑顔の素敵なカリエド先生が凶悪な姿になってるうううぶぶぶっ?!」




「騒ぐな」



あれは夢だったのか、私の妄想という名の夢だったのか。それより犯罪の匂いがするアーサー先生に口を塞がれているまさに今が夢なのか。そうだ、これが夢だなわかりますよ。





「さあ、夢よ。覚めたまへ!!」



「そうだな、夢なら少しくらいいいよな?」




夢だ夢だとベッドの上で頷く私と、にやりと口角をあげて布団の中に手を忍ばせるカリエド先生が凶悪な姿になった人。




「…」



「…」



「おおうっ?!!なっななななーにしてんすか?!!」



「夢なんだろ?」




「ごめんなさい現実ですね!リアル!ノットドリーム!」




太ももを這う先生の手をはらいのけてセクハラ教師!と言ってはみれど、あ?の一言で土下座しそうになった。もうやだこの人、警察仕事しろし。





「…で、何で先生がここにいるんですか」




「本田が横で爆笑しながら王が泣きながらお前担いで俺んとこきたから連れてきた。感謝しろ」




「うわあ本田先生ぶん殴りたい。しかも何でカリエド先生の所に連れてってくれないおー先生いいい!!」




「俺じゃあ…不満か?」
「とんでもないです。」





それを最後に保健室…多分保健室では沈黙が続いた。丸イスに足を組んで私を直視するアーサー先生にアーサー先生から目を反らして固まる私。何なんですかこの空気は、な、何か話題を…話題…






「…先生って少女が好きなんですか?!」




「は?」




「いえ何でもないです」



「ガキには興味ねえよ」




「やはりエリザ先生みたいなばいんぼいんな女性が?!!いいですよね憧れます!」



「凛胸ないもんな?」




「…」



「…」



「…何でそんなに良い笑顔してるんですか」




「…お前形は「なっななななないつ触ったんすか訴えますよ!本当に訴えますかんね!!」」




顎に手を添えてによによと笑う先生に枕を思い切り投げる。最悪だ、カリエド先生ごめんなさああああい貴方の凛の胸はこの下劣な、セクハラ教師に触られてましたうわああああ





「何すんだこの貧乳」



「うっさいこんのセクハラ教師…!!」




ベッドから飛び起きてイラついた表情をするアーサー先生のネクタイを掴むと先生も私のネクタイを掴んで引っ張る。ぐぎぎぎぎと睨みあっているとガラリ、保健室のドアが開いた。






「あ」
「あ」





「…凛に何してんすか」






(あいやああああ何であいつに凛を渡すあるか!)
(めんどくさいことは担任に押し付ける…それが鉄則。)
(菊は鬼ある。)
(ところでギルベルトさんは…?)
(食堂んなかにいた男子に連れられてサッカーはじめてたあるよ)



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