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後ろから飛んできたパパイヤが私の後頭部、詳しく言うならば左耳から9、6センチ右に、2、3センチ上に的中した。あべしっと変な声を出して振り返れば「凛さんたら、どんくさい」と失笑したミスタープライバシークラッシャー本田が。ゴーヤと言いパパイヤと言い何故持ってんだ、何故投げたんすかと言いたいことが山ほどある!今日こそ言ってやるからなちくしょう!!
「せんせいいいいいいい?!!」
「何ですかあ?」
「いえ、良ければこのパパイヤ洗って返させてもらってよろしいでしょうか…?」
「汚れ一つないように洗わないとお尻にゴーヤ突っ込んじゃいますね」
「やっめてくださいよ痛いじゃないですか!!」
「あらその反応でしたか…」
「…他に何か?あ、ぜひ突っ込んでくださいとかそういう反応が良かったんですかね?!あったー私ってばうふふ」
「…。」
一瞬で表情のなくなった先生は教官室に入ってパタンとドアを閉めた。何だか悲しくなった私は本田先生のせいでくしゃっとした服を紙袋に入れてまた走り出す。
*
何故こんなに教室から英語教官室は遠いんだと思いながらやっとついた英語教官室。中からはいくつかの声が聞こえるから先生以外に複数教師がいるだろう。…しかしここで私が先生に「前お借りした服です」とか言ったら他の先生あご抜けるよ、いやあごが空の彼方にさようならしちゃうよ。…まてよ?逆にそうすればカークランド先生がやめさされて…!いやいやそんなことしたらきっと帰り際に拉致ってGO!ってなって殺されちゃうネ!やめとこう!
「…」
「…」
「…」
「…ひぎゃあああああああいつの間にか私教官室入ってるうわああああああ?!!」
「違う、俺が廊下に出た。」
「あ、そうですかあ…」
「ああ、凛のでっかい一人言が聞こえたからな!」
にっこりと笑う先生にだらだらと冷や汗が止まらない。怖い怖い逆に怖いから笑わないでクダサイヨー。
「よし、場所変えるか!」
「い、いえここでオーケイ」
「場所、変えるか!」
「オーケイ今すぐ!」
(既に死亡フラグ…!)
ニコニコ笑う先生に連れられ、近くの空教室へと入った。未だに笑っている先生にもう鳥肌が止まない。
「あー、あのー、この間はー、そのー、ええとー、」
「簡潔に言え」
「服をどうもありがとうございました、ご飯もおいしく頂きました。」
「…随分汚いな」
「本田先生の仕業です」
「本田?」
「そうです、しかもゴーヤをけつに突っ込んじゃいますとか言ってきましたおかげでけつが痛いです」
「…」
「…あー、では、また。」
「待て」
「待ちます」
…何だこれ。
(座れ)
(座ります!!)
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