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「…進級早々呼ばれるとか珍しいんだからな…」






「うはあすみません、カリエド先生を思うとつい…ひいやああああああああ!」







「何回目だこのくだりは!」





はい、14回目です。だってかっこいいんだよカリエド先生!今夜貴方のベッドにそっと…いや堂々と待機したいですぶはあ。







「ん…、鼻血。」






「ふが、ありがとうございひゃす」






「もういい、次は気をつけろ。時間をとらせて悪かったな、気をつけて帰れよ?」






「わかりました!じゃあ失礼します!!」






「また明日。」






そう微笑むアーサー先生はやっぱり噂通りかっこよかった。






(まあ、カリエド先生一筋だけどね!)






「ふんふーんふはーんふんー」




「凛」




「あ、香と湾!待っててくれたんだー」






にやにや笑いながら二人に近付くと物凄い形相をした湾が私の肩を掴んでいつもの甲高い声とは打って変わって低音で言葉を放った。







「…凛」






「うあっ、わわわわ湾?!」






「ねえ先生と何話してたの?何かされた?もしかして…ひゃあああああきた!」






「ななななななな何?!どうした湾んんんんんんんん?!」






「あ、ごめんごめん!つい…あはっ!」






「別に気にしなくていい的な、早く俺ん家、」






何よ香のあほー!と隣りでポコポコ怒る湾を連れて玄関へ向かう、近付くにつれて話し声が聞こえてきた。







「ああもう何してるの!」





「えー、色塗りだしー、見て分からんの?」






「そういう意味じゃなくて!色変えたら駄目でしょ普通!」






「上履き青とかありえんしーやっぱピンクがええと思うんよー」






「校則違反だから!…ってほら!人来たよっ」






下駄箱にいたのは筆を持った前髪がセンター分けの男子と困った顔をした男子。私達を見るなりセンター分けの男子がもう一人の後ろへと隠れてしまった。








「…何あれ」





「靴箱の位置的に同じクラスの人みたいよ」






「うーこいつら誰ー…」





「ああもうフェリクスは…あ、俺トーリスって言います。こっちがフェリクス。同じクラス…の人だよね?」






「え?よくわかったねー」





「うん、春日さん、だよね?あんだけ目立ってれば誰でもわかると思うよ」







そう言ってトーリスと名乗った少年がくすくすと笑い始めた。









(ほら、隠れてないで!)
(わ、リトまじやめろし!)
(…)
(ちょっと香!睨まない!)


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思えばポー、フェリクスだった。
フェリちゃんとかぶるなー
あとポーはリトって呼ぶよ!



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