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スタイリッシュな空間とはまさにこの事だろうか。いやまさかアーサー先生がこんな良いとこに住んでるだなんて、いやまさかアーサー先生がキャラ崩壊してるだなんて。






(帰りたい)





「先生ー、もう7時来ちゃいますよそろそろ帰らなきゃっ!お母さんに心配かけちゃうわ!」



「そうか、じゃあまたな。」




「はい、ではーってちょっと待ってくださいよ無責任ですよ!人を拉致しておいて!!」




「拉致?勘違いも甚だしいな」



「なんすかその態度はあああ!!」




「態度?態度がわりーのはお前だろ」




「なっ!私がいつ!態度が!悪かったんすか!」




「クラス変わった初日から」




ソファーで足を組んでそう言った先生は続けて、うるさいだとか話を聞かないだとか比較するとノンストップで話し出した。危険だ。





「ぐ…、わっわかりました。認めましょう!ですがだからといって拉致は如何なものかと!」




「お前が俺とカリエドを比べんのが悪い」



「うぐ…」




「反省したなら食器棚からコップとか出して並べとけ」



「…はい?」




「飯、いらないなら作らないが?」
「食べます。」





って何言ってるんだ私とツッコミを入れようと思ったけど先生の笑顔にやられてしまった。ちくしょう不意討ち!





*





「ところで先生料理出来るんですか?」




「人並みにはな」




「へえ、って美味しそうううう!!ちょ、これ、人並み?!!何ですか嫌味ですか!!」







ソファーに転がってお母さんに湾の家に行くから遅くなるとだけメールを送って携帯を閉じる。リビングに向かえばテーブルの上にはどこぞのレストランかとツッコミたくなるような料理が。エプロン姿の先生はこれくらい普通だろといった表情で悔しい。






「凛はいかにも料理出来なさそうだな?」



「失礼しちゃう!私だって!私だって!ってさりげなく名前呼ばないでくださいびっくりしました!」






ぽこぽこ怒る私はあっさりスルーでエプロンを外した先生が椅子に腰かけた。




「ほら、食え」



「先生がどうしてもというなら食べてさしあげましょう」



「絶対食べんなよ」



「わあああ嘘ですすみませんすみません!はいいただきます!」




ぱんっ!と手を合わせて料理を口へと運ぶ。いやもう美味しくて泣きそうだお母さんより美味しいよぐすん。




「美味しいですうううう!!」



「ん、」




「いやもう美味しいです、うっ、げふっ!」




「…調子にのるからだ、」




げほげほと咳き込む私にアーサー先生がアイスティーの入ったティーカップを差し出した。それを受け取った、と思ったのは勘違いで中に入っていたアイスティーは料理と私にかかり、ティーカップは私の膝にまっ逆さま。






「うわあああああご飯んんんん!!?」




「それより制服だろ!」




「え?あ、うわあこれシミになりますかねえ…」




「早く洗えばセーフだろ、とりあえずシャワー浴びてこい」



「料理は?!料理はどうなりますか?!!」



「また作ってやるから早く行け。タオルと着替えは後で持ってくから」




「わかりました!…ところでお風呂場はどこでしょう。さっぱりです。」




「そこ、右」




「なるほど、ありがとうございます!」






(わあ広い。)
(あんのドジが)
(うわあ下着が再生不能)



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まさかの眉毛が料理上手い件^^*


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