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「凛」
「なんすか委員長!」
「その…だな、言いづらいのだが、」
「まあ遠慮せずにどうぞ!」
「実はな…」
「うす。」
「俺としたことが数学課題のチャート125ページの2番の間違えの解き直しをしてなくてな…数学教官室に戻ってもいいだろうか…?」
「解き直し?!!何この真面目っぷり?!」
放置、駄目、絶対。
(なんだいばかばかばーたれ!)
すまない、この借りは必ず…と申し訳なさそうに数学教官室へ走っていくルートを見送る。いや真面目すぎないか委員長くん。私なんて必殺答え見るぜー!なのにさ!
「しかしルートくんの仕事は春日凛がしかと受け取ったぞ!任せろ!必ずやこのノートは届けてみせる…!!」
クラス分の英語のノートを持ったまま英語教官室へ笑いながら向かった。すれ違う人達の視線が熱かったっすよあっはっはっ。
「あら、凛!」
「ふおっ、エリザ先生!」
「偶然ね、別に探してた訳じゃないわよ。断じて。」
「偶然なんてないんですよ先生…これは、ディスティニー、そう。私とカリエド先生が出会ったのも運命いいいい!!」
「相変わらず激しいわね凛。ね、今からちょっと手伝ってくれないかしら?」
「あ、すみませんっ今はルートからの仕事を遂行すべく英語教官室へ…」
英語教官室、といった途端、私の両肩をがっしり掴み鼻息をあらげるのはこれでも学校一の美人教師として名高い家庭科担当のエリザベータ先生だ。
「だっ、ダメよあんな男のとこに一人でなんて!!!ああでも美味しい!美味しすぎるわ!でも凛が…いやここは萌えをとるか…」
「先生どしたんすか?!腹痛ですか?下痢ですか?!!」
「違うわ凛…やっぱり凛が大事だわ、行っては駄目よ。行くなら私も…」
急に真面目な顔をしたエリザ先生と私の間に何か茶色いノートが入ってきた。ん、クラス日誌…?
「チッ…カークランドせんせ?何かご用かしら?」
「おやおやエリザベータ先生こそ、春日に何かご用件でも?」
「ええ、今から少し手伝ってもらいことが、ね」
「先生の魂胆は見え見えなんですよ。春日は今俺に用がある、離してもらっていいですかねえ」
「おーい私を挟んで笑わないでくださいよーっ、ちょー怖い的な。香助けに来い的な。」
いつもの爽やかスマイルはどこに落としたんすかカークランド先生。いつもの優しいスマイルはどこに落としたんすかエリザ先生!
「ケンカ、駄目、絶対。」
「まったく爽やか?イケメン?貴方が?ありえないわ。ただの変態じゃない。」
「はは、それはそれは。世界で一番変態な貴女に変態と言われるとは光栄ですね、」
「無視、駄目、絶対。」
うん、とりあえず誰かヘルプ!
(あーら貴方何か勘違いしてるわね、私は変態ではないわただ本能に忠実なだけよ)
(貴女は面白い事を言いますね、それを世間一般で変態っていうんだがな。)
(放置、駄目、絶対。)
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