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「来週は身体測定に…遠足だ」
「先生!さきいかはご飯のうちに入りますか!?」
「絶対ない。さきいかが入るならあんまんも入るっしょ」
「先生!おやつは千円以内ですか?!」
「買いすぎ的な、三百円でstop」
「あー…お前ら少し静かにしてような?」
軽く流されてカークランド先生が遠足について話し始める。行き先はアスレチックやサイクリングやその他色々と遊ぶ事ができるアウトドアスポットバス座席決めを簡単にしてあっさりとSHRが終わった。
「凛達も俺達と一緒に回るしー」
「回るしー、でも5人だとあの2人乗りの自転車、1人あまっちゃうよ!!」
「あ、もうあれは乗る前提なんだ。」
「当たり前っしょ。」
「じゃあもう1人無理矢理拉致っちゃおう!」
「湾ちゃんそんな無邪気にそーゆー事言わないでよ」
1人拉致るって言ってもクラス変えしてこれだけ日にちがたつとグループも固定化している、誰か…誰か…、いないかーと教室をぐるりと見渡すとエナメルバックを背負った彼が目に入った。
金髪のオールバック!高校生には見えないむきむき筋肉!秀才優等生のHR委員長!!
「いいんちょおおおおおお!!」
「っうお?!なっ、何だ?!驚くからいきなり大きな声をだすな!」
「あっ、ルート君1人だったよね!遠足寂しいよね」
「ちょ、湾ちゃん無神経だよ!」
ケラケラと笑う湾にトーリスが注意するが本人はまったく気にしていない様子だ。逆に目を輝かせて鞄の中から一枚のチラシを取り出して淡々と話し始めた。
「…で何か用か?今からタイムサービスがあるから早めに頼む。」
「タイムサービスとか行きよんー?まじすごいしー」
「タイムサービス…それは主婦達の戦い…!普段は温厚なあの人もスーパーでは一変!般若のような顔つきで『この一匹38円の鯖は私のよ!』と叫び、走り、奪い合うあの…?!!」
「あー…で、用事はそれなのか?そろそろ行きたいのだが…」
「あっ、えーとね!遠足…me達とウィズランデブー?!!」
「…」
「全然伝わってないよ凛ちゃん!」
「…ふむ、別に構わないが」
「ほんと?やっほーい!!えへへ、一緒に自転車こごうね!」
「伝わってる?!!」
「ではそろそろ行くぞ、えー、春日?」
「凛でいいっすよ委員長くん!また今度主婦達の戦いに私も参戦させてねー!」
「了解した、」
そう言って笑った彼を見て何だか嬉しくなって突然タックルするがびくともしなかった。それを見てさらに笑って手を振る彼の手にはきゅうり5本20円とかかれたチラシ。…節約家?
(委員長くんて面白いね!)
(笑わない奴だと思った的な)
(…これもしかしてもしかして
美味しいフラグたっちゃったん
じゃないの?!視野にいれて
なかったからわからなかった
けどルート君イケメン…
これは美味しいネタが)
(湾よだれでとるしー)
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ルッツ→真面目優等生で
委員長で節約家、けちだと
何だか美味しい
そのうち委員長とタイムサービスの
話も書くぞー!
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