主成分は糖分でOK




「あ、おはようちえちゃん!」



「おはようございます〜。さて今日の朝ごはんは…卵焼き!柔造さんの卵焼きっ!」



口元を緩ませて机の上に用意された私の朝ごはんに飛びつく。そんな私を見てくすくすと笑うしえみちゃんには何だかすごい寝癖が。いつも思うんですけどあの未確認生物みたいな寝癖…どうなってるんでしょうか科学的に解明しておいてください卵焼き食べて待っ、てま…す…



「あれ、卵焼きが一つ足りません!」



「え?そうなの?」



「そうです、一つないです!そして犯人は金造さんっ食べ物の恨みは怖いんですから…!」



横で寝ころがっている金造さんをキッと睨めば、やけにげっそりした顔で睨み返されました。あれ、私何も悪い事してないですよね、むしろ被害者ですよね。…彼は基本的に意地悪です、私に。



「久々に食うたけどやっぱりそれないわ…甘すぎや!卵焼きに今すぐ土下座せえ!」



「この甘さこそ卵焼きなんです!甘さこそ正義、ジャスティス!砂糖ラブ!」



「せやかてその卵焼きはありえへんやろ!あとな、家の砂糖の3分の2はちえが消費しとんや金払い!」



「けちくさいですよ!それにその分塩はあまり摂取してませんっ」



「塩じゃまかないきれんのや!醤油も自重せえ!」


「なら私は豆腐とどう付き合っていけばいいんですか!」



「砂糖かけとけや!」



「矛盾してますよ!」



「二人とも落ち着いてっ、ほ、ほらちえちゃん早く食べないと遅刻しちゃうよ!」



「そ、そうですね…では急いで食べるので先に用意してください」



「うんっ」



ふにゃふにゃと笑ってくしを片手に洗面所へとパタパタ走っていく彼女を見ながら急いで箸を進める。今日の卵焼きも最高です柔造さん!




「…しえみちゃんはあんなかいらしいのんなあ、」



「百も承知です。」




(飯よこし)
(嫌です。)
(足らへん)
(ならば柔造さんに責めよって頼んでください私は後ろから撮影しますのでっふうううおっとよだれが。)
(目潰すえ)



0811