憂鬱の近代国家





アルフレッド・f・ジョーンズは心底うんざりしていた。

アメリカからの留学生である彼はこの国のトップクラスである大学の二年生で常に成績は優秀であった。しかしそれは彼の才能ではなく努力の結晶である、だからこそ彼はうんざりしていた。



この国の大学生というものは常に他人と競争し、自身の立場の優劣というものを他人と比較して知りたがる。それが高ければ高いほどもう少し、もう少しと欲にまみれてしまい周りを見失う。利益や名声ばかりを求める汚ない欲を隠す仮面を被る近代社会にどこか似ていた。



目の前に積み重なる課題とストレスによりすでに心臓は砂漠状態、この国へ留学する前までの期待に満ちた目は消えてなくなっていた。脳は別次元にいったままテレビ視線をうつすが、今日も相変わらずのニュースで「○○派閥と××派閥が衝突武力で行使を始める…」とかいう馬鹿げたものだ。まったく、呆れてしまう。



「…馬鹿じゃないのかい、」



ぽつり、と小さく呟いてぬるいコーヒーを口に流し入れる。いつもと同じように淹れたそれはいつもより濃くて上手く飲み込めずにいた。やっと喉を通った時、不意に立ち上がってはイヤホンをぶらさげて何の理由もなく家の中を飛び出した。この衝動が俺の運命を変える大切なものであったのだろう、と知るまでは大分時間がかかることとなってしまった。








近代化が進んだこの世界を覆うのは立ち並ぶ高層ビル。アメリカと比べて何十倍にも領土が小さいこの国ではこの高層ビルが邪魔であり、窮屈でたまらない。



英数字で区切られているこの近代都市のK/6に俺は居た。いつもは邪魔なくらい人が行き交っているのだが、今日は俺一人であった。その答えはある高層ビルの側面にある巨大なテレビから発せられる言葉により理解し、表情何一つ変えない俺は顔を珍しく歪ませてしまった。




「ただいまより、K/6通りで○○派閥と××派閥が争う模様、この通りにいらっしゃるかたは大変危険ですのですみやかに避難してください。」



▽▽

寝ながら書いてしまったので…ううんいつか手直ししたいです。次にはヒロインを出したいです。色々に間違いはあると思いますが暖かい目でみてやってください^o^


0711