眼鏡を割ってもいいのか




「どういうことですか。」


妙に寂れた建物の中もよろしい状態とは言えない。所々ギシギシと鳴る廊下に怪しい模様…しみのある白くない壁…お化け屋敷みたいで怖いのだ。そんなお化け屋敷の一室に恐る恐る入った私はびっくり仰天、そこには私の荷物と思われる段ボール箱が6、7つ置かれていた。




「…どういうことですか」


「そういうことです。」


ものすごく良い笑顔を浮かべるこの眼鏡が憎い。そいやっさと目潰しでレンズを割ってやりたいそして思いっきり潰れたレモン投げつけてやりたい、ああもうどうしてこうなった!



そして最後の極めつけは「ご両親の了解も得ましたので」いつ了解を得た。確かに母さんも父さんも私が正十字学園に行けるような頭をしていたならなあとは言っていたけど、でも決定が急すぎるっつーの!



「冷暖房はありませんが他に生徒がいない分勉学に勤しめますよ」



「私勉強嫌いなんですけど、壁に張りついて塩をかけられてしょぼくれたナメクジの次に嫌いなんですけど。」



「俺はすき焼きに間違えて入ったちくわを豆腐と間違えて食べたあの感じくらい嫌いだな!」



「ちょ、ちくわっ、どうして入ったの」



「何かよ、雪男が…」
「兄さんはちょっと黙ってて。」



イライラしていたはずなのにいつの間にかひいひい笑っていた私ある意味ポジティブですねははは。



「…で、先ほどからチラチラ出てますけどすごい名前っすね、二位さん?仁井さん?」



「仁井さんって誰だよ」


「あー…ええと僕の双子の兄さんなんだけど」



「ああー、お兄さ…ってそんな冗談今はいいですから」



「冗談じゃねえよ?!」



「はは、実質は僕の方が上なんだけど本当だよ。」



「そーだそーだ雪男の言う通り…ってお前今なんかひっかかる言い方だったような…」




アゴをおさえて考え込む「お兄さん」をよそに眼鏡さんが出会って数十分にして自己紹介を始めた



「改めて奥村雪男です。今日から祓魔師目指して頑張りましょうね」



「ああ私は春日いまりですどうぞよろ…」



「どうかしましたか?」



「…いやいやどういうことですか。」



736歩譲って正十字学園に転入することはまあ考えよう、だけど祓魔師になるってのは訳がわからない。



「どういうことですか」



「そういうことです。」



よし、そいやっさと目潰しで眼鏡割る作戦を実行しよう。



Q眼鏡は割ってもいいのか


(そいやっさああああ)
(馬鹿ですか貴女)
(何で私が?!祓魔師?!!)
(貴女の祖父との約束でして)
(知るかあああああ)