いつもと違うファミレス
夏の学生のたまり場といえばファミレスに限る。ミンミンうるさい蝉もいなければ、額から、背中から汗を流すこともない快適かつドリンク飲み放題というツーコンボな空間だ。
「なまえちゃーん、店員さんに顔覚えられとりますよー、」
「今月12、3回目だもんねー」
「痛いわー痛いわー、視線むっちゃ痛いわあ」
机に肘をついてチラチラと視線を送ってくる店員から顔を隠すように手で壁を作る彼の斜め前にある緑や黒やオレンジ色のした液体の入ったグラスは堂々とそこに居すわっていた。
「志摩あー、そんなに視線が気になるなら何かおごってよーう、私ごぼうの唐揚げが食べたいよーう」
「…そんな甘ったれた声出してもあきまへんで、俺に金ないの知ってはるやろ?しかも渋いでなまえちゃん!」
「そだねー志摩金欠だったねー」
ちぇーと口を尖らせてグラスに入っている赤いストローをくるくると回せばカラン、と氷が何とも涼しい音をたてた。
「にしても私達も暇な奴等だね、リア充迎えにこい」
「そやなー、宿題はまあ最後の3日で終わらせればええですし…」
「ぶぷー志摩まだ宿題やってないの?私なんかとっくに終わったよーだ」
「んなっ?!なんやのそれ裏切り者!!」
けらけらと笑う私に対して彼は泣きそうな顔で手伝ってえなと訴えてきた、少しだけ良い気分だ。ふふふふと声を漏らしながら縦長で三つ折りのメニューを手にとってじっくりと眺めてから彼の方に向けて差し出す
「ごぼうの唐揚げと軟骨の唐揚げと枝豆で手をうとう」
「鬼っ!?なまえちゃんの意地悪!親父!おっさん!!」
「ししゃも…」
「わーごめんて!それ以上は勘弁したって?!」
うううと唸りながら財布の中身を眺める彼などまったく気にもとめず、チラチラと見てくる店員さんに向かって右手をあげてすみませーんと声をかけた。
いつもと違うファミレス
(ごぼうの唐揚げと軟骨の唐揚げと枝豆とだし巻きたまごくださーい)
(かしこまりました)
(ちょおおおおお?!増えてはるやん?!ばかあああ)
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京都の方言がおかしいことにうわああああすみません(´;ω;`)
苦労性な志摩さんもいいなと書いてみて気づきましたどきどき^o^←
0625