はんぺん合戦
プスプスと危なげな音をたてるは鍋の中、いかにも体調を崩す…どころではない物質が鍋の中でよどめいていた。
「…なまえ」
「…な、何でしょう。」
「核兵器作成駄目!絶対!!?」
「核兵器じゃないよ、おっおでんなんだからああああ!!」
おでん、という単語に反応して固まる目の前の男。どれくらい驚いているかというと明日地球が、死にまーす!とニュースでやるくらいのレベルだ…複雑!切ない!
「ちょ…おま…大根とかこんにゃくとかこんな惨事にならねえよ?!」
「いや大根とこんにゃく入ってないんだけど」
「なめてんのかなまえ大根とこんにゃくの入ってないおでんはおでんじゃねえよ、味噌汁だ。」
「しいて言うならはんぺんしか入ってないよ」
「本格的におでんじゃないことが発覚したな、」
今時の娘がはんぺんで核兵器を作るな、つーかこれ俺の鍋ええええ?!と悲鳴じみた声をあげる燐の頭を手に持っていたお玉でカツンっと殴る。あ、はんぺんが燐の頭についちゃった
「うおおおおおい?!何かっ、何かシューシュー言ってる?!俺のキューティーハニーがああ」
「キューティクル、だよ兄さん…」
「あ、先生!聞いてください燐が私のおでんのこと核兵器だって…!!」
「…兄さん」
「いいいいやいや鍋の中見てみろ雪男!」
いくらなんでも言い過ぎだ、と言いながら鍋の方へ足を速める雪男の眉間にシワが出来たことは言うまでもない。
はんぺん合戦
(こ、これは…何というか…ど、独創的な…)
(無理すんな雪男、認めちまえそれが核兵器だってことをな!)
(燐のばかああああ)
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0612