束の間のジャイアニズム
「なあーちょお待ってくださいよー」
「しつこい、来るな、帰れ」
ピンク色の髪をした彼に付きまとわれてからかれこれ10分が経とうとしている。何でも「メアド教えてくれへん?」という事で。そのくらい別に良いじゃんと周りは口を揃えて言うけれども断固拒否だ、こいつは迷惑メールよりタチの悪いド迷惑メールを送ってくるに違いない。
「別にええやないですか、減るもんじゃありませんし」
「私の精神的な何かが確実に減る」
「最近の高校生は皆ちゅーちゅーしとりますよお」
「お前は土に還れ」
先ほどまでメールアドレスの話をしていたはずなのにいつの間にかキスの話になっている…もう手遅れだ、勝呂くんと子猫丸この男を再教育して欲しい切実に。
せわしなく足を動かしてこの男から逃げようとしていたけれど逆効果なようだ、ここはがつんと言ってやろう。
「おっ!なまえちゃんついに…!」
「あのさセクシュアルハラスメント」
「何それ恥ずかしい!せめてセクハラって言ったって?!!」
「メールアドレス、教えてあげてもいい。」
「ほんまでっか!俺なら準備オッケ…」
「たーだーしーかーし、条件が…46つある。」
「多いな?!」
さあいつでも赤外線送信ばっちこい!とでも言わんばかりに身をのりだして目を輝かせる彼に指を突きつけて大きく息を吸う。
「まず私の半径50メートル内に入ることを禁ずる」
「もう見えへんやん授業どうするつもりですか」
「2つ目…」
「スルーせんといてくださいよお」
「メール一通送信する度に2…」
「ええええ何で一通で200円?パケホじゃまかないきれへん?!」
「…2万」
「高っ」
「あとお前の買ったパンは全部私の物…」
「なまえちゃんジャイアンの生まれ変わりか親族ちゃう?」
のびたくんみたいな顔をして首と手を振る彼の携帯を持っている方の手首を掴んで自身の携帯と合わせる。
「え、ちょ、待っ…?!」
「送信完了、あと残り57個は紙に書いて伝書鳩で送るわ」
「増えてない?なあ、約束ごと増えてない?!」
束の間のジャイアニズム
(はい50メートル内にいる、罰金。)
(理不尽や!)
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何だかもうごめんなさい(´^ω^`)←初青エク夢がまさかの志摩さんです大好きです彼。
0612