正しい人助けの仕方 | ナノ

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『明日からそうかさっ…
捜査開始だからね!!』

ヒメコ「あー噛んだ
惜しい噛んでもーた」



なんて会話を合図に、翌日から動き出したスケット団。

何故かそれには、杉原も同行させられていた。

杉原は不本意だが、自分もスケット団の一員みたいな扱いをされている気がしていた。


捜査の手始めに、昨日の話題に上った中庭へと足を運んだスケット団。

するとそこには、周りに花とか、ハートマークとか、少女マンガに出てくるようなぽわわーんとした効果みたいなヤツとか。

そんなようなオーラを振りまきながら、ペチャクチャと話しているカップルが居た。

スケット団の目的は、極秘の聞き込み調査のはずだが、そのオーラに苛ついたのか、ヒメコは暴力的に、スイッチは精神的に、本人達曰く優しく声を掛けた。

しかし白昼堂々と恐喝擬いな聞き込みは、百歩譲っても極秘捜査とは言えないであろう。



『もう、なんでみんなは直ぐに暴力に走るかなあ…』



そんな様子を見兼ねたニックネームが間に入り、優しく声を掛けると、とある人物の目撃情報が入った。



「あ そう言えば昨日だったら人が居たなあ
城ヶ崎達が壁の落書きをペンキで消してるのを見たよ」

『ペンキ…
ん?城ヶ崎、くん?』

[城ヶ崎は昨日、例の落書きを消すように指示されていたはずだ]

『なるほど、城ヶ崎くんか
こういう悪さをしそうな人だし、可能性あるね』



ご協力ありがとう、と笑顔を振りまいたニックネームに反応して、少なからず頬を緩めた男子生徒。

それを見逃す訳のないヒメコとスイッチが悪人のような面で、男子生徒の方へ一睨みを利かす。

しかし、彼らの気はそれだけでは済まなかったらしい。



ヒメコ「あんたらええ加減にしときや
どうせすぐ別れるんやから、あんまテンション上げんな
くっさいセリフに酔っとるから
空気読まれへんねん、さぶすぎる!」

「ちょっと!
何で捨てゼリフ吐いて行くの!?」

[小坂正利
巧みな話術でかつては三股をかけた経験がある
最近は釣りやすい頭の悪い女ばかりを狙っていると、友人に公言している]

「わぁーーーー!!
何でその事を!!?」



二人して大きな爆弾を落として、颯爽と先を急ぐニックネームの後を追い掛けた。

その二人の後を慌て追い掛けた杉原だけが、男子生徒―――小坂の可哀相な結末を目にしたという。