正しい人助けの仕方 | ナノ

▲ 2−4





結局中馬のボケの塊のような発言のひとつひとつに突っ込んでいたら、イエティが爆弾を持ったまま逃げ出すという事態が起こってしまった。

辺りを見回しても、既に姿は見当たらない。

ヤバ沢さんの言葉を借りれば超ヤバスである。



『て、手分けしてイエティの捜索開始!!
ヤバ沢さんの部活が終わるまでに捜し出すよ!!』

中馬「はは…
爆死する前にの間違いだろ」

ヒメコ「アンタ黙っとけ!!!」

『スイッチ、学校のマップ!
早く出して!!』

ヒメコ「てゆうかお前、まだ一回も喋ってへんぞ
この一大事に何しとんねん!!」

[いやー チャットが昼間から盛り上がる盛り上がる
あのニート達の笑いのセンスは他に活かせないものだろうか]

ヒメコ「お前、絶対後でパンチやからな!!!」



黙り込んで真剣に何かをやっていると思ったら、スイッチはチャットをしていたらしかった。

そっか、そっちで打ち込む作業やらなきゃいけないから、喋れないか。

いやいや、納得している場合じゃない。

中馬も自分は関係ないとでも言いたそうな顔で、既に畳に寝そべっているし。

ちょっとみんな…。

二人は後でヒメコのパンチを受けることが確定しているらしいので、もう諦めよう。

ニックネームはリーダーとして責任を放棄しようとした。



[「さすがスイッチ」のコーナー〜〜〜〜☆]



さらにいきなりふざけだしたスイッチに、ヒメコの鉄拳が炸裂しそうになったが、しかし、やっぱりスイッチはやる時はやる男。

予めイエティに発信機を取り付けておいたらしい。



さすがスイッチ!!!



『大好きだー!!』



諦めかけていた自分が情けない。

ニックネームは何の迷いもなくスイッチに抱き付いた。

その後、イエティの捜索があるのにも関わらず、ニックネームはヒメコからお叱りを受けた。

何故?!















[目標は新館二階の廊下を南下中
ニックネーム、突き当たりから二番目の教室に入れ]

『了解…?!』

「おっ、藤崎じゃん
どーしたの?」



スイッチが指示した教室は、所謂男子更衣室というヤツであった。



『あ、ご、ごごごめんなさい、!
間違えましたァアアア!!』

「え?そんなに慌てどーしたの?」

『い、いや、その、
すすす涼風くん、は、離してくれないかな?!』

涼風「もう、だから名前で呼んでって言ってるじゃん!」

『今それどころじゃないんですけど?!!』



扉を開けて直ぐに、ニックネームが見たのは―――――男子生徒の半裸姿だった。

ここは男子更衣室なのだから、当たり前なのだが。

その中に、ニックネームの知った顔があったのだが、異性関係に免疫のないニックネームは、一刻も早くここから出たい一心で。

ニックネームを引き止めたのは、ニックネームの隣の席の涼風聖也という男子生徒だ。

クラスのムードメーカー的存在で、サッカー部に所属する爽やか系男子。

話しやすい性格からか、男女共に幅広く顔が知れ渡っている―――――俗に言うモテ男と云うヤツである。

しかし、ニックネームには涼風のことを思い返す余裕もなく。

涼風がいくら仲のいい間柄だったとしても、



『本当にごめんなさい!
離してぇええッ…!!』



突き飛ばしてしまうくらい、恥ずかしいのであった。















涼風「あれー、どーしたんだろ、藤崎」

「いやいや、普通の反応だろ!」

「ていうかお前、女子に裸覗かれて、平然としてられるのおかしいだろ!」

涼風「あー…そういうことねー
藤崎、ウブだなあ」

「「このモテ男が!!」」















※オリジナルキャラクター:涼風 聖也(すずかぜ せいや)については
名前変換の画面にて詳細があります。詳しくはそちらで。