Love Triangle


朝日が完全に昇った頃、未だに布団の中から出てこれない姿が一つ。凌統だ。どうやら今日は休みの様で、かなりのんびりとしている。
その姿を眺める青い影。
それは、何故か呉に居る曹丕だった。

「公績、起きろ」
「んん〜…あと五分…」
「ふ…。朝が弱いのか、愛らしいな」
「うるさいっつのぉ〜…」

甘寧にしては何かおかしいと思ったが、如何せん寝起きのため頭が働かない。
サラサラと髪を触られる感覚が気持ち良いのか、手に摺り寄ってくる。

「寝顔も可愛いが…私がつまらぬ。起きろ」
「ん〜…?…起こしてぇ…」

寝惚けたままトロンとした目で腕を伸ばして甘えてくる。

「!!?…ふ、仕方のない…///」

全然仕方ないと言う感じではない曹丕は、凌統の腕を引き身体を起こしてやる。その時、片手で腰を持つのを忘れずに。

(おぉ…細い…+)

思わず両手で掴んでしまうが、凌統は擽ったいのか身を捩るだけだった。

寝起き万歳!!と密かに思いながら、このまま頂いてしまおうかと良からぬことを考えていたとき、勢いよく扉が開いた。

「凌ー統ー!!飯食いに行こうぜー!!」
「…ふぇ?」
「ちっ…」

部屋に入ってきたのは甘寧だった。その声で凌統も段々覚醒してくる。

「甘寧…貴様はいつも私の邪魔ばかり…!!」
「えっ、曹丕…?」
「お前っ!!!何で呉に居んだよ!!」

漸く曹丕の存在に気付いた凌統。しかし、それより気になることが一つあった。

「あんた…この手は何だい?」
「右手だが?」

曹丕は未だに凌統の腰を掴んでいて、かなり密着した状態だった。

「てめぇ、凌統に気安く触んじゃねぇよ!!!」
「黙れ、公績の何処を触ろうと私の勝手だ」
「んなわけないっつの!!!」
「ぅぐっ!!」

凌統の見事な手刀が曹丕の頭に決まりやっと解放される。
と思ったら今度は甘寧に抱き締められた。

「俺以外の奴に触らせてんなよ…」
「あれは、曹丕が勝手に…」
「それでも!!…お前は俺の何だからな…!!」
「…甘寧…っ」

余りの嬉しさに凌統もギュッと甘寧に抱きついた。
髪や頬に軽くキスを落として甘い空気を作り出す。
既に二人の世界に入っていたとき…

「ふゃあぁあ!!!??」
「凌統!!?」

いきなり凌統が奇声を上げた。

「な…っ、なななな…!!?///」
「公績の腰が我が手に…!!」
「曹ー丕ー!!!!」

違和感に目を向ければ、復活した曹丕が凌統の腰に巻き付いていた。

「曹丕!!お前、いい加減にしろよ!!」
「態々呉まで来たんだ、公績を手にするまでは帰れんな」
「字で呼ぶなっつの!!」
「そうだ!!公績と呼んでいいのは俺だけだ!!」
「あんたも許してないけどね!!」
「ふ…甘寧もまだ甘いな…。この様子だと、公績を手に出来るのはすぐのようだ」
「ふざけんな!!公績は渡さねぇからな!!」

甘寧も負けじと凌統の腰を抱き自分の方へ引き寄せる。
そして、再び曹丕と言い争いを始めた。
暫くはご飯も食べれない…そう思った凌統は、ハァと深い溜め息を吐いてこの状態をどう打開するか考え始める。



「どうでもいいけど…腰から離れてくれないかい…?」


痺れをきらした凌統の踵落としが甘寧と曹丕の頭に落ちるまで、そう時間はかからなかった。


*おまけ*


凌「そういや、曹丕は何でここに居るんだい?」

丕「仲達が蜀に行ったきり帰ってこなくてな。暇だから公績を貰っていこうと思ったのだ」

甘「遊びに来たノリで来てんじゃねーよ!!帰れ!!」

丕「嫌だ」

甘「帰れ!!」

丕「嫌だ」

甘「帰れ!!」

凌「うるさいっつの!!!(C4炸裂)」

甘「ぐわっ!!!」
丕「ぅぐっ!!!」

凌「…。…りくそーん、飯食いに行こー」

おわり

***
以前のサイトにて相互リンクさせて頂いていた398様に捧げたものです。
此方も記念に。
398様、ありがとう御座いました。



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