嗚呼、愛しのゲルテナ様!
「ねえ、そろそろ先に進みましょうよ」
「ちょっと待ってギャリー!私今忙しい!」
「忙しいって、ずっと絵画眺めてるだけじゃないの」
「眺めるのに忙しいの!」
「同じ絵ばっか眺めてどーすんのよ!もう絶対一時間は経ってるわよ!」
「いいじゃん別に、急ぐ必要ないじゃん!」
「アンタになくてもアタシにはあるの!こんな不気味な所さっさと出たいのよ!」
「えっ、なんで!?どこが不気味なの!?ゲルテナの作品がこんなにあるんだよ!?」
「それが不気味なのよ!!」
「不気味じゃないよ、寧ろ天国だよ!」
「アンタもう頭おかしくなったの!?」
「おかしくないから!寧ろ私ここに住みたい!」
「その感覚が既におかしい!」
「私の将来の夢は、ゲルテナ作品に囲まれて暮らすことです、まる」
「それも共感し難い!」
「私はきっとゲルテナ様に出逢うために生まれてきたのね!」
「アンタもう何言ってるかわかんない!!」
嗚呼、愛しのゲルテナ様!
(ややっ、あれに見えるは動く無個性さん!)
(近寄るな馬鹿!!)