ちょっとした出来心なんです!







「天馬、葵、信助ー!おっはようー!」ぎゅっ

「わっ!?」

「あ、おはようございます先輩!」

「んー、天馬は今日も元気いっぱいで可愛いねえ」

「おはようございます、先輩。あと信助を離してやってください」

「うん?」ぎゅー

「…むぐ……」ぎゅーー

「うわわ、信助の鼻と口が塞がってますー!」

「あっごめん!大丈夫?」

「っぷは…!はあはあ、窒息するかと思った…」

「考え無しにいきなり抱き上げるからですよ…せめてもう少し頭を働かせて下さい」

「あ、葵ひどい…!私一応先輩なのに…!」

「ちゃんと先輩だと思ってますよ?一応」

「天馬ー!葵がいじめる!」

「こら、葵!……って、えっ、先輩!?お、俺に抱き着くのも、ちょっと、あの…!」

「はああ可愛い…天馬は癒しだよ……」ぎゅうう

「せ、先輩?あの、は、恥ずかしいんですけど…」

「あっ」

「?どうしたの、信助?…ああ」

「ん?」ぎゅー

「二人とも何…って、あ、剣城」

「えっ!?」ぱっ

「あ、離れた」

「おはよう剣城!」

「おはよう!」

「剣城くん、おはよ」

「ああ、おはよう」

「あ、あの、京介、これは…」

「おはようございます、先輩」

「ああああのね京介、違うの、今のは別に、何にもないのよ!」

「何がですか?」

「先輩が剣城くん以外の男の子に抱き着いてたことよ」

「ちょっ葵そんなはっきり言わないで!」

「ああ…大丈夫です、俺は別に、先輩の趣味に口を出すつもりは無いんで。では」

「待って京介!ごめん違うの、浮気とかじゃないのー!」











ちょっとした出来心なんです!



(違うの京介、誤解なんだってば!)
(大丈夫です。超どうでもいいんで)

(ねえ葵、先輩どうしたの?)
(天馬に抱き着いてたのを、必死で剣城くんに弁解してるのよ)
(……あの二人、別に付き合ってないよね?)
(付き合ってはないけどね。先輩もいい加減、余計なことしないで真面目に告白すればいいのに)