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花巻さんと松川さんに遭遇しました。




「あれ?もしかして及川の妹じゃね?」

「お、マジだ。えーと、なまえちゃんだっけ?」

「あ…確か、青城の…マッキーさんとまっつんさん?」

「その呼び方ヤメテ」

「マッキーと松川な」

「花巻とまっつんな」

「失礼しました、花巻さんと松川さんですね」

「なまえちゃん、今日は変装してないのな?」

「はい、今日は一人ですから。変装するのは、一緒に居る子に迷惑掛けないようにするためなので」

「健気…」

「可哀想に…」

「もう慣れましたから。そういえば、よく私だって分かりましたね?素の時に会ったことありました?」

「あー、及川が写メ自慢してたからな」

「俺の妹はスッピンでもチョーカワイーんだよ!とか言って、同じ写真何回も見せてくるから、なまえチャンの顔覚えちゃったんだよネー」

「…いつも愚兄が面倒お掛けして、本当にすみません」

「愚兄て」

「いや、なまえチャンほど大変じゃないと思うけどネ」

「私は、今は学校が別なので、以前ほどでは…」

「今も大概なのに、前はどんだけ酷かったんだよ…」

「中学までは学校も一緒だったので、休み時間の度に教室まで絡みに来てました」

「うわあ…」

「部活の時もいちいち話し掛けてきて飛び付いてきて、その度に一くん…岩泉さんに殴られてましたね」

「あ、その辺は昔から変わんねーのな」

「あと、彼女にフラれる理由は百パーセント"シスコンきもい"でした」

「……なまえちゃん、甘いものとか好き?」

「お兄さん達がなんか奢ってあげるネ…」










花巻さんと松川さんに同情されました。


「なまえチャンはモンブラン好きなんだネ」
「はい。ていうか、本当に奢って貰っちゃってすみません…」
「いいって、俺らも甘いもん食べたかったし」
「俺らっつーかお前な」
「松川さんは甘いもの苦手ですか?」
「んー、あんま好んでは食べないかな。こいつは甘いもん好きだけど」
「俺は甘党だからネー。一番好きなのはシュークリーム」
「私もシュークリーム好きですよ。最近は種類豊富ですしね」
「駅前のシュークリーム美味しいヨネ。秋限定のマロンホイップシュー、美味しかったヨ」
「あ、あれ私も好きです!でもあの店のシュークリームは、スタンダードなカスタードオンリーが一番美味しいと思います」
「!」ガタッ
「!」ガタッ
「え、何々急に」
「なまえチャン、話分かる子だネ」
「花巻さんこそ」
「いきなりどうしたのお前ら」

意気投合。