6:嫉妬 金色の太陽が揺らいで、 灰色の雲の波間に消える。 頭上には、 泣き出しそうな空。 街のとある交差点。 いつも兄弟と待ち合わせする場所に未登録は居た。 向かいからは蜂蜜色の少年。 それを見つめるのは、漆黒の少年。 「エド…」 未登録は少年に歩み寄り、不安そうに口を開いた。 エドはただ、力なく苦笑いを浮かべただけだった。 街での騒動から一週間。 未登録はエドに話がしたいと申し出たらしかった。 その待ち合わせ場所に、金色の少年は定刻通りやって来た。 「…この前は、ごめんね」 「何に対して謝ってんだよ」 エドは苦笑した。 「アルは?」 「宿だよ。二人の方が話し易いんじゃないかって」 「そう…」 横を駆け抜ける車の音。 始まった会話はすぐに途切れる。 「……お前、あのエンヴィーとかいう奴と一緒に居るのか?」 エドは少し考えてそう尋ねた。 痺れを切らしたようにも見える。 未登録はゆっくりと目を細め、黙ってその問いに頷いた。 [page select] [目次] site top▲ |